中でも印象的なのは、打つべきではない球をほとんどスイングしないことだ。バットコントロールは見事としかいいようがない。WBCのような大舞台でも、初挑戦のメジャーリーグのオープン戦でも、打席では常に落ち着いていて、悪球にはまったく手を出さなかった。自分自身が打つべき球を待ち、ライトに引っ張るだけではなく、レフトに打ち返すこともできる。

　そんな吉田の打撃力に関して、好印象を持たずにはいられない。レフトの守備では特徴のあるメジャーのスタジアムに適応していかなければいけないが、ここまでのところは及第点だ。本当にいい選手だと思う。

新加入選手が苦しむ「高めの速球」

　今後、焦点になりそうなのは高めの速球を打てるかどうか。吉田に限った話ではなく、メジャーでは若い選手、新加入選手は高めの対処に苦しむのが通例になっている。

　レッドソックスの主砲として確立されたラファエル・デバースにしても同じで、デバースはそれを克服できたが、同じ時期に台頭してきたマイケル・チェイビスはできなかった。吉田がどうなるのかはまだわからない。彼がこれまでいた環境（NPB）と比べるとメジャーの投手の球速は少し上のはずだから、余計にそこが注目ポイントになる。

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　もっとも、そういった未知数の要素があることを考慮した上でも、ここまでを見る限り、吉田はレッドソックスの勝利を助けられる選手であると感じている。チームを背負って立てる素材かはまだわからないが、今のレッドソックスは才能のある好選手を必要としていて、吉田はその1人になれると思う。

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