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[メキシコ戦プロフェッショナル分析]準決勝vs.メキシコ 6-5 宮本慎也「展開の妙が生んだ ラストチャンス」
posted2023/03/31 09:06
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
Yukihito Taguchi
準決勝は劇的な幕切れとなりました。1点を追う9回の攻撃で、先頭打者で初球を仕留め長打にできる大谷翔平のバッティングは流石の一言。他の選手とはレベルが違います。試合を決めた村上宗隆の一打も、何より本人にとって本当に良かった。ここまで不振が長引くと精神的なダメージからバットが出なくなるものですが、マイナス思考に陥らず、甘い球をしっかり捉えることができた。彼らしいメンタルの強さが、あの場面で出たと思います。
1次ラウンドから続いていた不調の原因は、簡単に言うと「引っ張って強い打球を打ちたい」という意識が強すぎたこと。昨シーズン、55号本塁打が出た後に不振に陥り足踏みが続いた時期と同じ状態です。彼ならば逆方向のレフトにも入るのだから素直に打っていけばいいのに引っ張ってしまう。2回の空振り三振から3打席連続三振に倒れた時もそのような姿勢が見え、これはなかなか難しいなと思っていました。