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清原和博&勝児だけじゃない! 娘と“父子二代”の夢を叶えた元阪神・久慈照嘉が振り返る36年前「完全アウエーの」壮絶すぎるPL学園戦 

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小西斗真

小西斗真Toma Konishi

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photograph byJIJI PRESS / SANKEI SHIMBUN

posted2023/03/29 11:01

清原和博&勝児だけじゃない! 娘と“父子二代”の夢を叶えた元阪神・久慈照嘉が振り返る36年前「完全アウエーの」壮絶すぎるPL学園戦<Number Web> photograph by JIJI PRESS / SANKEI SHIMBUN

現役時代の阪神・久慈照嘉と愛娘の愛。目元の表情がそっくり?

 ちなみに長男はサッカーの道に進んでおり、愛も幼い頃からダンスや歌のレッスンに明け暮れていた。つまり親子二代のセンバツ出場は絶望的だったところからの「まさか」。久慈さんは、こんなほほえましいエピソードも明かしてくれた。

「とにかく娘は野球のルールもよく知らないので。四球と死球の違いとか、甲子園に(阪神の試合を)見に来た時も(内野守備コーチだった)僕がノックを打つじゃないですか? それを見ていたもんだから『パパは打撃コーチだと思ってた』なんて……。でも、自分と同世代の男の子が必死にスポーツをやっている姿は必ず刺激になります。しっかり目に焼き付けておいでと送り出しました」

イメージキャラクターとして“センバツ出場”を果たした久慈愛 ©︎SANKEI SHIMBUN

 野球はいつも自分の身近に存在したが、愛がルールに疎いのはミュージカル「アニー」の主要キャストを勝ち取るなど自らのレッスンに必死だったからだ。それでも野球とダンスの違いはあれど、密な青春に膨大なエネルギーを費やす姿は尊い。父の言葉を胸に、愛は晴れの甲子園を満喫した。

1回戦の相手は「部員10人」

 東海大甲府高に在学中は3度の甲子園出場歴がある久慈さんにとって、ハイライトは3年のセンバツ(第59回大会)だった。入場曲は石井明美の「CHA-CHA-CHA」。1回戦の相手は何と部員10人の大成高だった。対戦が決まった瞬間、チームに楽観ムードが漂った。

「打順が回りそうになったら、ランナーコーチがくるくる入れ替わる。そりゃそうですよね。10人なら。ところが球場は僕たちにとって完全アウェー。ほとんど負けていた試合でした」

【次ページ】 歴代最強のPL相手に繰り広げた死闘

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