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「キャー!村神様!」「どすこーい!(野太い声)」侍ジャパン凱旋帰国、TVに映ってない“成田の出待ち”がアツかった「なぜかタイ語が…」 

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齋藤裕(NumberWeb編集部)

齋藤裕(NumberWeb編集部)Yu Saitou

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photograph byShiro Miyake

posted2023/03/25 17:00

「キャー!村神様!」「どすこーい!(野太い声)」侍ジャパン凱旋帰国、TVに映ってない“成田の出待ち”がアツかった「なぜかタイ語が…」<Number Web> photograph by Shiro Miyake

出迎えの歓声に応える栗山監督。MLB組はアメリカで解散となったが、NPB球団所属の侍ジャパン選手たちを目当てに1200人以上のファンが成田空港に駆けつけた

 14時50分、スマホで「フライトレーダー24」 を見ながら、女性2人組が飛行機の動きを口に出す。周辺に「いよいよか」という空気が漂う。

 15時7分、到着フロアに「ただいまJL8809便が到着しました」のアナウンス。その瞬間、拍手喝采。指笛が鳴り響き、無事の到着を大きく祝福。そしてスマホが一斉に掲げられる。

 10分ほどすぎると、さすがに少し疲れたのか、スマホを掲げ続けていた人も徐々に手をおろし、時折背伸びをし、顎を上げながら、到着出口に目をやっている。報道によると、この時点で1200人を記録。以降も徐々に後ろの人垣が大きくなっていった。

アツいね、熱気があるね

「栗山監督~」「たいせい~」

 15時22分、選手たちが一向に姿を表さずしびれを切らした一部のファンが声を張り上げ始める。「源田さ~ん」「どすこーい(野太い声)」 とひとしきり発声をしだす。

「今、62(到着ゲート)のあたり」

 そんな中、冷静に情報共有をする“おだんごヘア”の女性4人組がいた。どうやら勤務を終えたCAさんのようだ。スマホを掲げる周囲とは対照的に「まだ騒ぐ時間ではない」といった様子で、スタバのカップを片手に悠然と待ち構えていた。 

 「アツいね、熱気があるね」

 そう語り合いながら群衆の後ろ側にたどり着いたのは、ジャケットを着た男性2人組。その眼前には半袖やノースリーブの人、そしてスマホをパタパタとさせ、風を欲する人の姿があった。赤ちゃんを抱っこしながら一眼レフカメラを肩に下げ汗が浮き出ている男性の姿も……。到着ロビーは熱気に満ちていた。

「侍ジャパン!」

 15時50分、威勢よく声が上がるが、選手たちは現れず、ついには球場の野次のように「デスターシャ」が偶発的に連呼される展開に。あとなぜかタイ語まで聞こえてきた。

スーツケースを「踏み台」にする人も

「通路狭くなってまーす、前へお進みください」

 後では係員が旅行客を案内しながら、通路の邪魔にならないよう出迎えの客を誘導していた。

「もしもし、今、侍ジャパンが成田に着いているのを見ている。いやまだ着いてないんだけど。人が多すぎて見えん」

 スーツケースを持った小柄な女性が沖縄のイントネーションで電話をしながら出待ちの列に加わる。1列は横に100人ほどが並び、その列が8列ほど重なっている。全員総立ちのため、身長が低いとカメラを掲げても選手は映らない。絶望的と言える状況だが、持っていた長方形のスーツケースを横にして、そこに乗り、踏み台にしていた。なりふりかまっていられない。

【次ページ】 「早く来て~」「最高でーす!」

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