侍ジャパンPRESSBACK NUMBER
「キャー!村神様!」「どすこーい!(野太い声)」侍ジャパン凱旋帰国、TVに映ってない“成田の出待ち”がアツかった「なぜかタイ語が…」
text by
齋藤裕Yu Saito
photograph byShiro Miyake
posted2023/03/25 17:00
出迎えの歓声に応える栗山監督。MLB組はアメリカで解散となったが、NPB球団所属の侍ジャパン選手たちを目当てに1200人以上のファンが成田空港に駆けつけた
「早く来て~」「最高でーす!」
今か今かと選手たちの到着を待ち望む中、どこかから「早く来て~」と悲鳴のような男性の声が上がり、笑いが起きる。スカジャンを着た若い男性が隣の友達に「間違いない」とつぶやきながら、スマホに視線を落とす。
15時59分、最前列のファンたちがざわめき出し「おめでとう」「ありがとう」の声が一斉に轟く。どうやら到着出口に栗山英樹監督が姿を現したようだ。花束を持った栗山監督と中村悠平が歩いて歓声に応えていくと、「栗山監督」の声がひっきりなしに飛び、ときたま「ナイスバッチン」の声が場内に響いていた。
入国審査などの関係だろうか、2、3選手が連れ立って、20秒おきくらいにファンの前を通り過ぎる。そのたびに、「たいせい!」「ろうきー!」という声があがり、コーチの名前も呼ばれていた。「まついくーん!」「おおしろ!」「最高でーす!」さまざまな声が上がる中、ひときわ大きな歓声を集めていたのが、村上宗隆だ。「キャー!」「村上!」「ありがとう!」「村神様ー!」。当の村神様はアメリカの空港で何かを買ったのかコンビニ「ハドソン」の袋を持った右手で歓声に応えていく。ファンの前にいたのはわずか20秒ほど。それが10回ほど続き、10分もたたないうちに全選手が過ぎ去った。
サッカー日本代表のユニフォームを着た謎のファン
そして、見届けたファンも帰路に……とその中に1人、侍ジャパンではなくサッカー日本代表のユニフォームを着た男性がいた。しかも右手に持つ傘の先にはスマホがセロハンテープでぐるぐる巻きにされている。急造の“自撮り棒”を持つ逆側でスーツケースを引くこの男、一体、何者なのか。本人に話を聞いた。