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“3年後のWBC”侍ジャパンに推したい選手は? 大谷そっくり20歳&今年ドラフト朗希世代の注目左腕〈2026年主役候補U-25リスト〉
text by
西尾典文Norifumi Nishio
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/03/24 17:00
投打で大活躍だった大谷翔平。3年後の次回大会も期待したいが、チーム事情などで出場が難しくなればメンバー構成に大きく影響を及ぼす
同じ左腕という観点では、アマチュア界から細野晴希(東洋大4年)と金丸夢斗(関西大3年)の2人を挙げた。
細野は最速155キロを誇り、豊作と言われる今秋のドラフトでも左腕の目玉と見られている投手だ。制球には少し課題が残るものの、ストレートも変化球もボールの質は一級品で、東都大学リーグで2桁奪三振を記録することも珍しくない。この春に万全の投球を見せれば、一番人気になる可能性も高いだろう。
金丸も3年生ながら既に関西の大学球界ではナンバーワン左腕の呼び声が高い。ストレートの勢いは細野には劣るものの、それでもコンスタントに140キロ台後半をマークし、抜群の制球力も魅力。3月18日に行われたオリックスとのプロ・アマ交流戦でも先発で6回を投げて2失点とその実力を見せている。24年秋のドラフトでは目玉の1人となりそうだ。
野手のウィークポイントは3つ
投手が左腕なら、野手のウィークポイントはどこか。今大会の侍ジャパンの構成を見ると、底上げが必要となるのがキャッチャー・ショート・外野の3つだろう。
まず捕手で期待したいのは坂倉将吾(24歳/広島)、松川虎生(19歳/ロッテ)の2人だ。坂倉は打撃技術に関しては既にセ・リーグでもトップクラスであることは間違いなく、あとは守備面のレベルアップが課題。今季は志願して捕手に専念すると言われているだけに、正捕手として盤石な地位を築くことが当面の目標になる。逆に松川は、プロ1年目から開幕マスクを被るなど、捕球技術に関しては天下一品。ここから打撃をどこまで伸ばせるかがカギとなる。
攻撃型の坂倉、守備型の松川が揃って侍ジャパン入りすることができればかなり強力な捕手陣だ。3年後、それぞれの課題を克服した姿を期待したい。
ショート後継者の最右翼は長岡
ショートも源田壮亮(30歳/西武)の後継者探しは急務だ。若手の最右翼と言えば長岡秀樹(21歳/ヤクルト)か。昨季は高卒3年目ながらレギュラーに定着。リーグ連覇に貢献し、ゴールデングラブ賞も受賞した。セイバーメトリクスの指標では源田に迫る数字もマークしており、次代を担う名手となりそうだ。
ショートでもう1人挙げたいのが大学生の宗山塁(明治大3年)だ。大学球界でトップクラスの逸材が揃う明治大で1年からレギュラーを張り、これまでの4シーズンで3度のベストナインを受賞。柔らかいハンドリング、軽快なフットワーク、正確な送球は全てが高レベル。さらに打撃も2年秋終了時点で61安打、8本塁打、打率.367と圧倒的な成績を残している。東京六大学のショートでは「早稲田の鳥谷」以来の大物とも評され、24年秋ドラフトでは即戦力として獲得に名乗りを挙げる球団も多いはずだ。プロ入り後も順調に経験を積めれば、26年の侍ジャパン入りは十分考えられる。