侍ジャパンPRESSBACK NUMBER
“3年後のWBC”侍ジャパンに推したい選手は? 大谷そっくり20歳&今年ドラフト朗希世代の注目左腕〈2026年主役候補U-25リスト〉
text by
西尾典文Norifumi Nishio
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/03/24 17:00
投打で大活躍だった大谷翔平。3年後の次回大会も期待したいが、チーム事情などで出場が難しくなればメンバー構成に大きく影響を及ぼす
山下はこれまでの2年間で一軍登板経験はないが、今シーズンはキャンプから順調な調整を続け、オープン戦でも3試合、9回1/3を投げて防御率1.93、奪三振率15.43という見事な数字を残している。
福岡大大濠高時代からストレートを磨くためにカーブ以外の変化球を封印していたという逸話の持ち主で、プロでも順調にスケールアップを果たし、自己最速は158キロ。190cm、98kgという体格やフォームの雰囲気は大谷と重なるものがある。今季早々に一軍デビューの予定だが、3年後には球界を代表する投手へと成長していることを願いたい逸材だ。
山下と同じ右投手では今シーズンから先発に転向する平良海馬(23歳/西武 ※東京五輪代表)、故障からの復活を期す奥川恭伸(21歳/ヤクルト)、侍ジャパンとの強化試合で好投した西純矢(21歳/阪神)など楽しみな若手が多い。だが、一方で課題となりそうなのが左投手だ。
ライオンズ期待の左のエース候補
年齢面だけを考慮すると、今大会に出場したサウスポーで次回大会の戦力になりそうなのは高橋奎二(25歳/ヤクルト)と宮城大弥(21歳/オリックス)の2人。昨シーズンのセ・パ両リーグの投手成績において、満年齢が25歳以下の若手でチームの中心となっている左腕は宮城しか見当たらないだけに、次回大会までの“発掘”は連覇へのカギを握っている。
そんな中で期待したいのが、今季プロ2年目を迎える羽田慎之介(19歳/西武)だ。
八王子高時代は“和製ランディ・ジョンソン”の異名をとった191cm大型左腕で、高3夏は肘を痛めて登板せずに終えたが、それでも西武がドラフト4位で指名するところに素材の良さがうかがえる。昨季は二軍で5試合の登板に終わっているものの、着実に力をつけ、キャンプ前の自主トレからそのボールの勢いは話題に。今季の二軍初登板となった3月22日のロッテ戦では2回を無失点、2奪三振と好投を見せている。
本格的に一軍の戦力となるのは来季からになりそうだが、チーム待望の左のエース候補として期待は高い。