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大谷翔平の前で出塁率.800、“恐怖の2番”近藤健介の天才的出塁センス「コンちゃんは一皮むけたね」栗山監督、稲葉元監督も大絶賛の選球眼

posted2023/03/08 11:22

 
大谷翔平の前で出塁率.800、“恐怖の2番”近藤健介の天才的出塁センス「コンちゃんは一皮むけたね」栗山監督、稲葉元監督も大絶賛の選球眼<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

強化試合で大谷翔平の前、2番に座った近藤の出塁率は.800(5打席4四球)。強化試合全体でも打率.642、出塁率も.750と“恐怖の2番”になっている

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NumberWeb編集部

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Naoya Sanuki

雑誌「Sports Graphic Number」「NumberWeb」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」や写真を紹介します。今回は近藤健介にまつわる3つの言葉です。

<名言1>
コンちゃん(近藤健介)はバッティングであそこまで突出して、一皮むけた感じがあるよね。
(栗山英樹/Number942号 2017年12月20日発売)

◇解説◇
 WBC本番前、最後となる強化試合で侍ジャパンの打線が爆発した。

 7日に行われたオリックス戦、前日に衝撃的な2ホームランを叩き込んだ大谷翔平は「センター前ヒット、四球」と2打席出塁だったが、それ以上に目立ったのは村上宗隆の本番に向けてついに目覚めた感のある3ラン本塁打に、4番打者に入った吉田正尚の猛打賞など打線の序盤からの爆発だった。そのチャンスメーカーとなったのが大谷の前を打つ2番・近藤。第3打席のツーベースを含めて3打席すべてで出塁。今季からソフトバンクの一員となった打撃職人が、得点への契機を作る役割を果たした。

 プロ入り直後は捕手だった近藤だが、侍ジャパンの栗山監督が日本ハム時代に打力を買ってサード、外野などで積極起用し、チームメートだった大谷も「天才的」と語るほどのバッティングセンスが花開くことになった。

 ちなみに近藤は2017年、怪我で離脱したものの57試合に出場して「打率.413」という驚異的な記録を残している。そのシーズンについて総括を問われると「プロなんで騒がれるのはありがたいことですよね。ただ打率は上下しますから、自分のバッティングがブレないことだけを考えてます」と話している。

 そして迎えた侍ジャパンでも近藤は、強化試合で14打数9安打、打率は驚異の「.643」をマークしている。安定感抜群のバットコントロールは、“大谷の前”を任されるに適任なのかもしれない。

ここでチャンスをものにできなければ…

<名言2>
ここでチャンスをものにできなければ、一生順番は回ってこない。
(近藤健介/Number846号 2014年1月30日発売)

◇解説◇
 近藤がレギュラーに抜擢された2014年、その前年のオフに日本ハムは大きな岐路に立っていた。長年にわたって主戦捕手を務めた鶴岡慎也――今回の侍ジャパンのチームスタッフの一員でもある――がFA宣言でソフトバンクへと移籍したのだ。そこで生まれたレギュラー争い、プロ3年目の近藤は大野奨太らと併用される形で大きく出場機会を伸ばすことになった。その飛躍のシーズンを迎える前、恩師の横浜高校元監督である渡辺元智氏に語ったのが冒頭の言葉であるという。

【次ページ】 近藤の“恐るべき選球眼”が侍を救った瞬間とは

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