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大谷翔平の前で出塁率.800、“恐怖の2番”近藤健介の天才的出塁センス「コンちゃんは一皮むけたね」栗山監督、稲葉元監督も大絶賛の選球眼 

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posted2023/03/08 11:22

大谷翔平の前で出塁率.800、“恐怖の2番”近藤健介の天才的出塁センス「コンちゃんは一皮むけたね」栗山監督、稲葉元監督も大絶賛の選球眼<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

強化試合で大谷翔平の前、2番に座った近藤の出塁率は.800(5打席4四球)。強化試合全体でも打率.642、出塁率も.750と“恐怖の2番”になっている

 近藤がドラフト4位で指名されたのは2011年、日本ハムが菅野智之(現巨人)を強行指名したことで非難の嵐にさらされた中での入団だった。当時、近藤も担当したスカウトの岩井隆之も「近藤の頑張りには助けられています」と、3年目のさらなる成長に目を細めていたという。プロの世界、千載一遇のチャンスをつかめるかどうかと言われるが……近藤はそこを活かして、徐々に一流選手の道を駆け上がっていった。

近藤の“恐るべき選球眼”が侍を救った瞬間とは

<名言3>
打ちたいところを我慢して、しっかりとったフォアボールだった。
(稲葉篤紀/NumberWeb 2019年11月6日配信)

◇解説◇
 近藤の非凡なセンスはバットコンタクト能力だけではない。際どいボール球を見極める選球眼もしかりだ。吉田正尚、柳田悠岐という巧打者が同じパ・リーグにいるため首位打者獲得こそないものの、2019年(.422)と20年(.465)に2年連続で「最高出塁率」を獲得。通算でも出塁率は「.413」と、5打席で2回以上は塁に出ている計算になる。もっと言えば前述した2017年の出塁率は「.567」という、野球ファンならうなってしまうほどの驚愕の数字を残している。

 そんな近藤の選球眼、実は国際舞台でも渋く光り、侍ジャパンを救った試合があった。2019年のプレミア12初戦、ベネズエラ戦だ。この試合、日本は8回までに2点ビハインドを追う苦しい展開に。しかし相手救援陣の乱調に付け込みランナーを溜めると、山田哲人の押し出し四球と菊池涼介のタイムリーで同点に追いついた。

 なおも満塁の場面でバッターボックスに立ったのは近藤だった。菊池に続いてここで勝負を決める一打を……という意識が高まってもおかしくないところだが、近藤はこの場面でもしっかりとコントロールの定まらない相手投手の制球を見極め、きっちりと勝ち越しの押し出し四球を選んだ。試合後、稲葉監督は近藤らの選球眼を称え「よくつないで粘り強く闘ってくれたと思う」と話した。実際この1勝を契機に、侍ジャパンは同大会の優勝をつかんでいる。

 近藤は強化試合オリックス戦の1回、2回の打席でともに四球で出塁し、大谷の前に走者がいる状況を作った。さらに言えば6日の阪神戦でも大谷の2打席連続ホームランの前に、こちらも四球で出塁し、2試合での出塁率は「.800」にまで達した。鋭いスイングとハッスルプレーで1番打者を任されそうなヌートバーと3番・大谷を輝かせる“恐怖の2番”の仕事人ぶりにも、ぜひ注目したい。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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