ぴろ　観ました。いや、俺、タバコを吸ってたのかな。ああ、でも観ました。喫煙所のモニターで観てたんです。出番が終わって、喫煙所に行ったら、前説を担当していたBKB（バイク川崎バイク）さんとくまだまさしさんがいて、「お疲れさん」って言ってもらったんです。M-1と日常の境界線は扉1枚なんだなという感じがしましたね。あぁ、もうM-1が終わっちゃったのかと。ウエストランドさんがめちゃくちゃウケてたんで、改めて、単純に俺らはあんまウケなかったんだなって思っていました。

――お客さんがキュウのネタにびっくりしてしまったというのもあるんですかね。あまりにも今まで観てきた漫才と違っていて。

ぴろ　それもあると思います。なんかね、今のお客さんたちって、ある意味で甘やかされてるのかなと。うまくて、わかりやすいことをやってくれる漫才師が多いから。そういうお客さんからすると、僕らの漫才は歪で、入ってきにくいのかもしれない。

――ただ、今回でキュウはこういう漫才をやるコンビだと知ってもらえたのは大きいですよね。

清水　自己紹介にはなりましたよね。

ぴろ　審査員の方々もけっこう期待してくれていたみたいで、でも、このウケ量では点数は付けられないっていう感じだったんですよね。惜しかったな、って。悔しがってくれた。それも胸が痛かったですけれども。ただ、今回、付けたくても付けられなかった点数は貯金になったと思うんです。次、きちんと伝わってウケれば、そのぶんも上乗せして点数をつけてくれるはず。なので、次は確実に優勝をねらえると思いますよ。

＜続く＞

（写真＝石川啓次）