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「今もタメ語ですよ」高校の後輩・村上宗隆を封じる秘策は? 12球団No.1の働き者“伊勢大明神”が好調をアピール「去年よりいい状態」
posted2023/02/17 17:00
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph by
Fumi Sawai
昨シーズン、12球団の投手でトップの71試合に登板した横浜DeNAベイスターズ伊勢大夢(いせ・ひろむ/24歳)。球団新記録となる39ホールドポイントを挙げ、幾度のピンチを抑えてきた姿から“伊勢大明神”というニックネームもついたほどインパクトある活躍を見せた。
高校時代は熊本・九州学院エースとして春夏の甲子園の出場。当時、世代では目立った存在ではなかったものの、進学した明治大では1年春からリーグ戦に登板。ケガで戦列を離れたこともあったが主にリリーフとして名門大学の投手陣を支えた。その後、ドラフト3位でDeNAに入団。1年目から33試合に登板し3勝を挙げ、2年目は39試合に登板するなど中継ぎ投手としてフル回転した。
昨季はその倍近い試合に登板したのだから、疲労度は想像を超えるものだった。特に9月には9連戦などハードな日程もあったため、シーズン後は心身の疲労を取ることに専念したという。
「シーズンが終わって、とにかく心が一番疲れていたので……。まず年内は気持ちの面をしっかり休めて、次のシーズンに向けていいリフレッシュができました。年内にしっかり休めたので、年が明けてからいいペースで(自主トレーニングで)体を動かしてきました」
「去年以上に状態はいいです。でも…」
今年1月は厚木市内でチームメイトと自主トレーニングにいそしみ、その後、25日から沖縄に前乗りし、ひと足先に2023年仕様の体作りに時間をかけてきた。沖縄キャンプが始まると、第1クール2日目にはブルペン入りし、30球を投げた。そして第1クール最終日の5日にも65球を投げるなど、球数を増やしながら調整を進めている。
「去年以上に状態はいいです。でもレベルアップしないと去年以上の成績は残せない。ただ、去年の経験は自分にとって大きな武器になると思っています。たくさん見られてきたからこそ、そのアドバンテージをうまく生かしながら頭を使っていきたいですね」
今季は各球団に研究された上で臨むシーズンになるが、71試合で得た経験値をもとにさらなる飛躍を誓った。