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三笘薫のチームメイト(21歳)をまさかの取り逃し…「なぜアーセナルはあえて31歳MFを獲得した?」チェルシーでも賛否両論あったイタリア代表
text by
ジョナサン・ウィルソンJonathan Wilson
photograph byGetty Images
posted2023/02/11 17:18
1月31日、移籍期限ギリギリにアーセナルに加入したジョルジーニョ(31歳)。2月4日のエバートン戦では59分から途中出場
つまりこの冬のマーケットにおける動きは、第一希望の若き即戦力たちを取り逃がした後の次善策で、現在のアーセナルの根幹には練り上げられたプランの下に築かれた若き力がある。
「昨季を通じて、僕らは成長を続けた」と24歳の主将、マルティン・ウーデゴールは言う。「シーズンの最初と最後には、雲泥の差があった。もちろんチャンピオンズリーグの出場権を逃してしまったことは悔やまれるが、僕らは昨季に大きく進歩した。今季はそこからさらにレベルを高められているので、今の状況があるのだと思う」
おそらくその最大の理由は、選手たちのメンタルに見出せるだろう。リーグ第13節のサウサンプトン戦を不満の残るドローで終えた3週間後、ウォルバーハンプトンとのアウェー戦でも前半は同じように苦しんだ。かつてのアーセナルなら自滅していたような展開だったが、現在のアーセナルの選手たちはピッチ上で自ら問題を解決できるようになっている。
「相手の最終ラインの裏を突いて守備陣を崩そうとした選手が何人もいた」と守護神アーロン・ラムズデイルは試合後に話した。「普段はボールを失うことを嫌がって、あまりやらない戦い方だけど、勇気が必要な時もあるんだ」
そしてアーセナルは、後半にウーデゴールの2ゴールで勝利を収めた。また1月22日のマンチェスター・ユナイテッド戦でも先行されたが、浮き足立つことなく丁寧にプレーを続け、相手をじわじわと追い詰め、最後はシーソーゲームを制している。今季のここまでのハイライトと言えるこのユナイテッド戦で見えたのは、個々の高いスキルと結束した組織力、そして何よりもチーム全体の成熟だった。
<冨安編に続く>
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