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あの江川卓を超えた…オリックス山本由伸は「プロ野球史上No.1投手」か? レジェンドたちを上回った“驚きの打者圧倒度”
text by
太田俊明Toshiaki Ota
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/02/09 11:00
球史に残る大投手の生涯ベストシーズンの成績を比較して、日本プロ野球史上No.1投手を探る旅。江川卓、田中将大らに続く第8回は山本由伸(オリックス)だ
江川卓に挑む…果たして?
さて、山本のベストシーズンである21年の成績と、昭和後期以降のパートタイムチャンピオン、1981年の江川卓との勝負だが、比較すると以下のようになる(赤字はリーグ最高、太字は生涯自己最高)。
【山本】登板26、完投6、完封4、勝敗18-5、勝率.783、投球回193.2、被安打124、奪三振206、与四球40、防御率1.39、WHIP0.85
【江川】登板31、完投20、完封7、勝敗20-6、勝率.769、投球回240.1、被安打187、奪三振221、与四球38、防御率2.29、WHIP0.94
江川が上回っているのは登板数、完投数、完封数、勝利数、投球回だが、時代の違いを踏まえるとこれらは大きなアドバンテージにはならない。
一方、山本は勝率、防御率、WHIPで上回っている。当企画で重視する“打者圧倒度”の指標となる1試合あたりの被安打数は、江川の7.00に対して5.76の山本がリード。1試合あたりの奪三振率でも、山本9.57に対して江川8.28と山本が上回る。さらに防御率でも、27本と被本塁打の多い江川に対して、被本塁打7本と少ない山本が江川を圧倒。やや与四球は多いもののWHIPでも山本が上回っていることから、山本に軍配を上げたい。
そう、あのダルビッシュ有や田中将大、大谷翔平すら勝てなかった江川に対して、山本が完勝である。恐るべし……。