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WBC栗山英樹監督は”ヌートバーと心中する”覚悟? 侍ジャパン最後の1枠をめぐって「最後の最後に自分の中で決断したこと」

posted2023/01/28 11:01

 
WBC栗山英樹監督は”ヌートバーと心中する”覚悟? 侍ジャパン最後の1枠をめぐって「最後の最後に自分の中で決断したこと」<Number Web> photograph by KYODO

WBCに臨む日本代表30人のメンバーを発表した栗山英樹監督。外野手としてラーズ・ヌートバーを選出した

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表・栗山英樹監督が1月26日に会見を行い、先行発表された12選手に新たに18選手を加えた出場30選手を発表した。

 ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手にサンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有投手、シカゴ・カブスの鈴木誠也外野手らのメジャー組に、国内組からはヤクルト・村上宗隆内野手らの先行発表組に加えて同・山田哲人内野手、巨人・岡本和真内野手、西武・山川穂高内野手らの出場も正式に決まった。さらには日本代表史上初となる日系メジャーリーガー、セントルイス・カージナルスのラーズ・ヌートバー外野手も参加し、“最強チーム”が完成。日本代表がいよいよ正式に動き出すことになった。

栗山監督が「最後の最後に自分の中で決断したこと」

「(目標は)世界一。それだけです」

 こう語る栗山監督から発表された30選手。陣容を見て、改めてポイントとなったのは投手15人、野手15人という選手の振り分けだった。

 栗山監督の説明だ。

「基本的には投手中心でしっかり守り切って我慢して勝ち切っていく形だと思います。そういう意味では最後の最後まで投手の人数を何人なのか迷い切って、最終的に1人増やして15人という形でスタートする。これが最後の最後に自分の中で決断したこと」

 前回の第4回大会は登録28人で投手13人で野手15人という振り分け。第2回大会と第3回大会も最終的には投手13人で野手15人とレギュラーシーズンと同じ構成で臨んできている。さらに、30人登録の第1回大会では投手13人に野手17人という攻撃的な構成だった。

 そういう意味ではこれまでにない投手力中心のチーム構成ということになるわけだが、この決断の背景には栗山監督の惜しみなく投手を注ぎ込む野球をやるという戦略が込められている。

 大会では1試合の球数制限と球数によって連投禁止や登板日の制限などのルールがある。そのため投手を役割分担で考えると、基本的には先発要員が4人で第2先発も同じく4人。それだけで8人の投手が必要になる。

 加えてクローザーを任せる投手も最低2人は用意しなければならず、残った枠でセットアッパーを含めた中継ぎ要員を考えなければならないことになる。

【次ページ】 栗山監督が挙げた2人の投手とは

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栗山英樹
大谷翔平
ロサンゼルス・エンゼルス
ダルビッシュ有
サンディエゴ・パドレス
鈴木誠也
シカゴ・カブス
佐々木朗希
千葉ロッテマリーンズ
山本由伸
オリックス・バファローズ
村上宗隆
東京ヤクルトスワローズ
近藤健介
福岡ソフトバンクホークス
ラーズ・ヌートバー
セントルイス・カージナルス
大勢
読売ジャイアンツ
宇田川優希

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