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W杯まさかの落選、原口元気31歳は日本代表をどう見た?「薫とか律とか…4年前と全然違う」「自分もまだまだいけるだろうと思わせてくれた」
posted2023/01/24 17:00
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
AP/AFLO
ブンデスリーガのウニオン・ベルリンに所属する原口はカタールW杯を経て、今どのようにサッカーと向き合っているのか。W杯の直前に本人を取材したドイツ在住の筆者が再び話を聞いた。
カタールワールドカップの狂騒から1カ月。冬休みを十分にとったブンデスリーガは、1月20日のライプツィヒ対バイエルンの試合で、再びその息吹を取り戻した。スタジアムに集結した4万7000人を超える大観衆の熱気から、再開への大きな喜びを感じさせられる。
翌日、僕はベルリン行きの電車に乗った。目的地はウニオンのホームスタジアム「シュタディオン・アン・デア・アルテン・フェルステライ」。11月中旬から中断期に入った時に、再開後最初の試合はここに来ようと決めていた。ウニオンで奮闘する原口元気の姿とプレーが見たかったのだ。
新しい自分を見せていかなきゃいけない
11月13日、中断前最後のゲームとなったフライブルク戦後、原口が口にしていたことを思い出す。
「この先自分の居場所を作っていくには、また新しい自分を見せていかなきゃいけない。今のまま停滞していたら席がなくなっていくのでアップデートして。守りに入らないように。31歳ですけど、ここからまだまだ新しいものを見せられるぐらいじゃないとやっていけないと思うんで。そういう覚悟と新しいチャレンジを楽しみながら、次に向かっていけたらいいかなと」
失意のW杯落選を乗り越え、原口はどんな変化を遂げようとしているのか。市電とトラムを乗り継いでスタジアムにたどり着くと、いつものように熱狂的なファンが試合開始を今か今かと待ち望んでいた。スタメンには原口の名前がある。大きな声援が響き渡るなか、両チームが入場。原口はチーム写真に収まると、着ていたジャージを脱ぎ、そしてゆっくりとした足取りでグラウンドへと足を進めた。