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〈箱根駅伝〉「河村さんの魂も引き継いで」日テレ・平川&蛯原アナウンサーが実況に込める思い。先輩アナが見せ続けてきた「大きな背中」 

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小堀隆司

小堀隆司Takashi Kohori

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photograph by日本テレビ

posted2023/01/02 06:07

〈箱根駅伝〉「河村さんの魂も引き継いで」日テレ・平川&蛯原アナウンサーが実況に込める思い。先輩アナが見せ続けてきた「大きな背中」<Number Web> photograph by 日本テレビ

日本テレビの平川アナウンサー(右)と蛯原アナウンサーは河村さんの思いも引き継ぎ今年も箱根駅伝の実況をつとめる

 一瞬の間を置いて、平川さんが口を開く。

「河村さんも意識されていましたけど、テレビが箱根駅伝を変えてはいけないということ。基本的には学生のスポーツで、運営も含めて学生たちが一生懸命にやっている。そこは変わらず大事にしていきたいと思っています」

 そして、こう続ける。

「正直、河村さんとは入社が1年しか違わないので、ヘンな意地もあって色々聞きには行かなかったんですね。今となってはもっと腹を割って色々聞いておけば良かったと思うんですけど、つねに一歩先を行って、その影を踏ませなかった。一歩先行く姿を見せてくれたことが、私にとっての教えだったように思います」

今回の箱根も必ずどこかで見ていてくれる

 蛯原さんにとっても、河村さんの背中は大きかったようだ。

「一度、飲み会の席で『オレは昔、報道志望だった』って聞いたことがあるんです。でも、色んな仕事をやる中で、スポーツ中継の魅力に気づいたと。それだけやりがいが詰まった仕事なんだってことを教えてくれましたね。たとえばニュースだったら原稿がある、バラエティーなら台本がある、でもスポーツ中継には筋書きすらない。目の前で起きていることに自分の言葉を添えて視聴者に伝えることができる。こんなに素晴らしい仕事はないんだぞって、そう河村さんに言われたことは今でも憶えています。

 ただ正直、河村さんの後を引き継ぐのは大変ですよ。こうした取材も受けるし、良い映像としては山の神が出てくる。自分は果たしてそれを越えていけるだろうかと考えると、プレッシャーでしかない。亡骸を見て言いましたからね。『先輩、勘弁して下さいよ。プレッシャーをかけないで下さいよ』って。今回の箱根も必ずどこかで見てくれていると思うので、河村さんの魂も引き継いでやっていきたいです」

 

 今年の大会も、平川さんはセンターで、蛯原さんは1号車で、選手の肉声を届ける予定でいる。山の神に迫るような、選手の快走は生まれるだろうか。 《#1から続く》

#1から読む
「山の神、ここに降臨」箱根駅伝の名実況はなぜ生まれたのか。昨年急逝した日テレ・河村亮アナウンサーの“仕事の流儀”

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