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〈箱根駅伝〉「河村さんの魂も引き継いで」日テレ・平川&蛯原アナウンサーが実況に込める思い。先輩アナが見せ続けてきた「大きな背中」

posted2023/01/02 06:07

 
〈箱根駅伝〉「河村さんの魂も引き継いで」日テレ・平川&蛯原アナウンサーが実況に込める思い。先輩アナが見せ続けてきた「大きな背中」<Number Web> photograph by 日本テレビ

日本テレビの平川アナウンサー(右)と蛯原アナウンサーは河村さんの思いも引き継ぎ今年も箱根駅伝の実況をつとめる

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小堀隆司

小堀隆司Takashi Kohori

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日本テレビ

 正月の風物詩といえば箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)だ。そのドラマを伝えてきた日本テレビのアナウンサーで昨年5月に亡くなった河村亮さんを偲び、後輩の平川健太郎アナウンサーと蛯原哲アナウンサーに秘話を聞いた。〈全2回の2回目/#1へ〉

 卓越した力を持ったランナーが、“山の神”となった日。

 2007年1月2日、第83回箱根駅伝の実況態勢は、平川さんが1号車、蛯原さんは3号車、そして河村さんがスタート・フィニッシュを担当していた。スタート・フィニッシュとは文字通り、スタート地点とフィニッシュ地点の実況を受け持つことだ。

 もう15年も前のレースだが、平川さんはあるシーンをよく憶えていた。

「あの年は、1区で東海大学の佐藤悠基が爆走したんです。2位以下を大きく引き離したおかげで、私は東海大のユニフォームしか見ていなかった。たしか4区の小田原中継所を過ぎてもまだ東海大が独走してましたよね」

 4区を終えた時点で首位は東海大。2位の東洋大には2分19秒のリードを奪っていた。順大の今井が襷を受け取ったのは、東海大の石田和也が走り出してから4分9秒後。前には東海大、東洋大の他、日本大、早稲田大と4人のランナーがいた。レースは箱根の山中で大きく動き出す。

「蛯原を始めとした後ろの中継車から、今井がどんどん差を詰めているという情報が入ってくるんです。じつは山の神という言葉でいうと、もうそこで使われていたんですね。共有資料の中にもその言葉はあったから、実況アナウンサーはほぼ、山の神という言葉を認識していました。僕も放送中に言った憶えがあります」

【次ページ】 アナウンサーたちが「山の神」のフレーズの襷を繋ぎ…

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