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“甲府20年目で初タイトル”山本英臣に聞く天皇杯決勝のPK戦秘話「ハンドはするしコイントスは負けるし、逆に笑えてきたんです」
text by
澤田将太Shota Sawada
photograph by2022VFK
posted2022/12/27 11:07
天皇杯決勝のPK戦に臨むヴァンフォーレ甲府の山本英臣。「決めれば優勝」という状況のなか、どんな心境で5人目のキッカーを務めたのだろうか
「5歳の息子が『もう引退すれば?』って(笑)」
2023年、ヴァンフォーレ甲府はJ2からACLに挑む。地元の人々に愛される甲州の小さなクラブは、初めてのアジアの大舞台でどこを目指して戦うのだろう。
「若手は『行けるとこまで行くんだ!』ってギラギラしてますよ。天皇杯で自信もついて、怖いものなしなんでしょうね。僕としては、うーん……ACLは未知の世界なので、なにもわかりません(笑)。まずはしっかりとリーグで昇格を目指して頑張りたいですね。ただ最近、5歳の息子に言われちゃったんですよね。『もう優勝したんだから引退すれば?』って(笑)。労ってくれたのか、一緒に遊ぶ時間がほしいだけか、それはわからないけど、引退という言葉を知っていることに驚きました」
12月11日、クラブは来季に向けて山本との契約を更新したことを発表した。秋春制となったACLのグループリーグが開催される9月以降は、昇格争いの山場でもある。限られた戦力でJ1昇格とACLでの躍進というミッションに挑むにあたり、「オミさん」の愛称で慕われるレジェンドの力が必要になるときが必ずやってくるはずだ。
「まぁ、息子には悪いけど、もうちょっとやらせてもらうつもりです」
来年の6月26日、山本英臣は43歳の誕生日を迎える。プロ25年目、甲府での21年目のシーズンは、どんな喜びと驚きをもたらすのだろうか。初めてのACL、J1昇格への再挑戦、そして連覇を狙う天皇杯。オミさんの青春は、まだまだ終わらない。
<前編から続く>
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