――最後に、2019年W杯の決勝後のロッカールームでファフさんが穿いていた南アフリカ国旗柄の海パンが一躍有名になりました。あれは今も代表戦のときに穿いてるんですか？

D　いまも穿いてるよ。1着新調したから、新しいのと古いのを交互に使ってる。あのとき、あのパンツは別に僕だけが穿いてたわけじゃないからね。代表のチーム全員が穿いてたんだ。

　ただ、決勝の後、あのパンツを売ってるサイトはアクセスが多すぎてサーバダウンしたみたいだけど（笑）。

――じゃあ、横浜キヤノンイーグルスの試合で穿くパンツは決めていますか？

D　最近はウミガメ柄のパンツとかよく穿いてるけど、イーグル柄のパンツもあるから、それを穿くようにするよ（笑）。

「人生、満足したらそこで終わり」

　母国南アフリカで「可能性なし」の烙印を押された172cmのスクラムハーフは、「絶対に見返してやる」と誓い、イングランドのセール・シャークスに移籍したのが5年前の2017年。そこではゲームコントロールを学び、キックの精度を格段に向上させた。特に、キックオフ、タッチキック、ゴールキックとすべてのキックを担当し、責任を負うことでメンタルも鍛えた。強豪ぞろいのイングランドにあって、「毎週（代表の）テストマッチと同じくらいの強度の試合をこなしていた」ともいう。

　かくして小柄な9番は南アフリカのW杯優勝の原動力となり、世界一のスクラムハーフにまで上り詰めた。そして次なる新天地に選んだのが、日本のリーグワン。入団会見では、「日本のアタッキング・ラグビー、速い展開のラグビーを身につけることで、もっといい選手になれると思った」と来日の動機を語っている。

　今回のインタビューでデクラークはこうも言っていた。

「パーフェクトなプレーヤーになりたい。でもそれは不可能なのはわかっているけど、常にハードワークする。無理とわかっていても、常に完璧を追い求めてハードワークする。Ｗ杯で優勝しても、いいシーズンをすごしても、反省点と課題は常に生まれる。リーグワンに来ても続けていいパフォーマンスをしたいし、南アフリカ代表のメンバーにも選ばれ続けたい。人生何でも、満足したらそこで終わりだから」

　悲願のトップ4入りを目指すキヤノンのチームスローガンは「WINNERS MINDSET」。そこに世界一のスクラムハーフの飽くなき反骨心と向上心が融合したとき何が起きるのか、要注目である。

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