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「かなり衝撃を受けた」横山武史も驚愕したウンブライルが阪神JFの本命か…ラヴェルら“無敗の2連勝組”の力は本物?“外枠”の傾向は厳しいが… 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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posted2022/12/10 11:00

「かなり衝撃を受けた」横山武史も驚愕したウンブライルが阪神JFの本命か…ラヴェルら“無敗の2連勝組”の力は本物?“外枠”の傾向は厳しいが…<Number Web> photograph by Photostud

アルテミスステークスを制したラヴェル

“無敗の2連勝組”の力は本物か?

 1番人気に支持されるのは、新馬戦とアルテミスステークスを連勝したラヴェル(父キタサンブラック、栗東・矢作芳人厩舎)ではないか。一昨年のソダシ、昨年のサークルオブライフと2年連続アルテミスステークスの勝ち馬がここを制している。2017年のラッキーライラックもそうだった。

 メンバー中5頭が重賞を勝っているが、「無敗の重賞勝ち馬」はこの馬だけ。母サンブルエミューズが2012年にこのレースで8着、半姉ナミュールが昨年4着だった悔しさを晴らすか、注目したい。

 もう1頭、無傷の2連勝で出てくるのがモリアーナ(父エピファネイア、美浦・武藤善則厩舎)だ。育成段階で顎の骨肉腫を患い、一時は競走馬への道も危ぶまれたというが、2歳戦開幕週の新馬戦を3馬身差、8月のコスモス賞を2馬身差で勝ち、ここに来た。コスモス賞で2着に負かしたドゥアイズが次走の札幌2歳ステークスで2着になっていることからも、その力が本物であることがわかる。

この秋は“若手騎手のGI初制覇”が目立っている

 この秋のGIは、スプリンターズステークスでの荻野極(ジャンダルム)、秋華賞での坂井瑠星(スタニングローズ)、そしてチャンピオンズカップでの石川裕紀人(ジュンライトボルト)と、若手騎手による初制覇が目立つ。この流れからすると、デビュー6年目の武藤雅が、父の管理するこの馬でGI初制覇を遂げるシーンも十分あり得る。さらに、スラブの伝承に登場する風の女神を意味する「モリアーナ」の名付け親となったのは、武藤の姉で歌手の武藤彩未という「家族のドラマ」もある。「競馬は小説より奇なり」と言いたくなることがままあるのは周知のとおり。無敗の女王となるのはこの馬かもしれない。

 騎手によるGI初制覇となる可能性があるもう1頭は、デビュー4年目の斎藤新が騎乗し、札幌2歳ステークスを勝ったドゥーラ(父ドゥラメンテ、栗東・高橋康之厩舎)だ。

 コロナで陽性となり、香港国際騎手招待競走を辞退した川田将雅が乗るリバティアイランド(父ドゥラメンテ、栗東・中内田充正厩舎)にも大いにチャンスがある。

【次ページ】 歴史的名牝たちは、大外枠でも勝ってきた

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