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試合後も涙、涙、涙…PK失敗の三笘薫は真っ赤な目で気丈に、南野拓実は報道陣に立ち止まれず…クロアチア戦直後“中継には映らなかった選手の姿” 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byGetty Images

posted2022/12/08 11:02

試合後も涙、涙、涙…PK失敗の三笘薫は真っ赤な目で気丈に、南野拓実は報道陣に立ち止まれず…クロアチア戦直後“中継には映らなかった選手の姿”<Number Web> photograph by Getty Images

クロアチア戦敗戦後、涙が止まらない三笘薫を森保監督は抱きしめた

三笘薫は号泣した真っ赤な目で、気丈に答え続けた

 1番目のキッカーとして勇敢に手を挙げた南野拓実はGKに止められ、涙が止まらなかった。あまりの傷心にミックスゾーンでは立ち止まることもできなかった。2番手として蹴って止められた三笘薫は気丈に報道陣の質問に答え続けたが、その目は真っ赤だった。

 試合終了後、森保監督にねぎらわれて号泣していた酒井宏樹は、涙の意味を聞かれ「森保さんに感謝と申し訳なさがあった。何回も(代表を)やめようと思った自分を呼び戻してくれて、あれだけ信頼してくれた」と打ち明けた。

 酒井は、10月に急逝した元日本代表FW工藤壮人さんのユニフォームをカタールに持って来ていたことも明かした。

「彼と一緒にベスト8に行きたかったっていう気持ちももちろんある。彼の奥さんからもメッセージをいただいていて、僕らの活躍が少しでも勇気になって、少しでも元気になってくれればと思っていました。僕にそんな力はないけど、この26人にはすごい力があった。日本代表というチームで最低限のことはできたと思うので、また前を向いてやっていきたい」

 工藤さんとは柏レイソルの育成組織時代、小学生の頃からともにプレーしていた。2014年ブラジルW杯の時は工藤さんが惜しくも代表に選出されず、選出された酒井は当時、「彼には個人的にメールを送った。本当に悔しかったと思うし、メールを送るか躊躇したけど、すぐに返事が返ってきて、うれしかった。よりがんばらないといけないと思った」と話していた。今回、ベスト8には届かなかったが、大会中の負傷を乗り越えてクロアチア選手と対等以上に渡り合った頑張りはきっと届いているに違いない。

“現地最後の取材対応”で鎌田大地が語ったこと

 クロアチア戦から一夜明けた日本代表のベースキャンプ地では最後の取材対応が行なわれた。そこには大会前と違う感情を持つ選手の姿もあった。その1人が鎌田だ。これまで「僕にとってはクラブが特別。ビッグクラブでスタメンで出て、CL優勝を目指すことがサッカー人生の最大の目標」というスタンスを強調してきたが、W杯での4試合を終えて「クラブでの活躍が代表につながるという根本的な部分は変わらない。でも、代表に対する思いは間違いなく増えた。この4年間は自分が代表を引っ張っていけるような存在になりたい」と語った。

 ドイツ戦とスペイン戦に出場して勝ち点6に貢献したものの、発熱による体調不良でクロアチア戦を欠場した久保建英は、「ワールドカップは不完全燃焼だったので、パリオリンピックでもしチャンスをもらえるのであれば出たい。4年も待てない。アジアカップもある。代表で何かを成し遂げたい」と今大会中に沸き上がった思いを口にした。

 W杯という経験が彼らを新たな『Dreamers』にしていた。

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