クレベルソンは「日本のよく訓練されたセットプレーが効果を発揮した」と評価。日本の1点リードで前半が終わると「日本が試合をコントロールしていた。このスコアは妥当」とコメントした。

前田の先制ゴール　©Takuya Sugiyama/JMPA

「バモス、ブラボー」って何？

　後半開始直後、鎌田大地が思い切ったミドルシュートを放ったが、わずかに外れる。その後、日本がロングキックを放ち、クロアチアのCBがGKへバックパス。前田が最初にCBを、続いてGKを猛然と追うと、アナウンサーは「前田はどんなボールでも全力で追い、クロアチア選手に大きなプレッシャーをかけています」と驚きの声を上げた。

　SporTV独自の映像では、スタンドで大きな日の丸の旗を掲げる若い日本人の女性ファンが大写しになった。アナウンサーは「何て可愛らしいんでしょう」と感に堪えたような声を出した。しかし、旗の上部に「バモス」（ポルトガル語、スペイン語で「レッツゴー」）、下部に「ブラボー」と書いてあるのを見て、「バモス、ブラボー？」と意味をつかみかねている様子だった。

試合前、SporTVのレポーターがスタジアム前で日本人ファンを紹介

　一方、クレベルソンは「日本のように執拗な守備をするチームを攻めるのは本当に難しい。スペースをほとんど与えてくれず、自分たちでスペースを作ろうと動くと疲労が蓄積する」とコメントした。

　ところがその直後、クロアチアが前へパスを出すと見せて後ろへ戻し、CBデヤン・ロブレンがゴール前へクロスを入れると、ゴール前やや左側へ走り込んだペリシッチがヘディングシュート。これがファーサイドのサイドネットへ飛び込んだ。

　クレベルソンは「日本が珍しくフリーでクロスを入れさせてしまい、なおかつフリーでヘディングシュートを許した」と言い訳するような口ぶりだった。

ミナミノ、ミナミノ…ああ、ミトマでした

　その後、遠藤のミドルシュートなどでチャンスを作るが、モドリッチに強烈なミドルシュートを放たれ、GK権田が懸命のセーブで防いだ。日本はその直後に長友に代えて三笘薫、前田に代えて浅野拓磨を投入したものの、次第にクロアチアが優勢となり、後半42分、堂安の代わりに南野拓実を入れる。1－1のまま延長に入り、アナウンサーは「ここまでのラウンド16の試合の中で最も均衡しています」と叫んだ。

　延長前半、日本はカウンターから背番号9の三笘がドリブルで独走。強烈なシュートを放ったがGKがパンチングで跳ね返した。

南野拓実と三笘薫　©Takuya Sugiyama/JMPA

　この間、アナウンサーは「ミナミノ、ミナミノ、ミナミノ……」と連呼。シュートした場面のスロー再生があり、ユニフォームの背中の名前を見て、ようやく間違いに気付いた様子。「ああ、ミトマでした」とシレっと言い直した。

　アナウンサーにも、精神的な強さが求められる。

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