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「鎌田と南野がペアで練習」「サウナ隊って?」食事会場ではしゃぐ堂安は「俺決めますよ!」現地記者が目撃した“森保ジャパン団結のウラ側”
posted2022/12/05 17:47
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Kiichi Matsumoto/JMPA
W杯優勝経験国であるドイツとスペインをグループリーグで撃破し、2大会連続4度目の決勝トーナメント進出を果たした森保ジャパン。初のベスト8入りという、歴史を塗り替えるためのクロアチア戦を控え、チーム内には今、最高の結束が生まれている。
2得点のヒーロー・堂安律が「僕たちは26対11で戦っている。26人全員で戦っている大会」と表現し、自身をチームのワンピースであると強調した言葉は、今大会の日本代表を象徴している。選手たちはどのような合宿生活を送りながら、団結力を高めているのか。
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鎌田と南野は“ライバル”だけど…意外だった練習風景
練習開始前。日本代表のベースキャンプ地であるアルサッドのクラブハウスから、選手たちが三々五々ピッチに姿を現す。カタールW杯が開幕したのは11月20日。誰が先発で、誰が途中出場で、誰がどのような役割を与えられるのか、まだ誰も分かっていない時点で目を引いたのは、鎌田大地と南野拓実が2人で真っ先にピッチに出て、ボールを蹴り合う姿だった。ポジション争いをする間柄であるのに、2人は見ていて明らかに仲が良さそうであり、11月17日のカナダとの強化試合の際には南野が「大地の長所をどう出せるかが上に行くためのカギになる」とまで言っていた。当然ながらデリケートな感情もあるのだろうが、“ライバル”に対してこのような見方ができるほど、このチームのメンバーは一丸となって闘おうとしている。それは間違いないと感じさせる言葉だった。
合宿の日常は、練習時間そのものは毎日約90分前後だが、それ以外の時間も選手たちはさまざまな“タスク”をこなしている。全体ミーティングでは対戦相手をどのように攻略していくか、選手とコーチングスタッフが一堂に会して意見を述べ合い、最終的には森保一監督が戦い方とメンバーを決める。この場では選手の年齢は関係ない。若手からベテランまで、多くの選手が意見を言える雰囲気になっているという。
そのほか、選手個々に対戦カードに応じた個人学習用のビデオ映像が渡されている。主にマッチアップする相手選手の特徴が分かるような映像集。それを見て、選手たちは攻守のイメージをシミュレーションする。