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「一番いい相手は“イケバナ”だ…」会見でスベったクロアチア指揮官ダリッチに油断はあるか? 日本を熟知した“影のキーマン”とは 

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長束恭行

長束恭行Yasuyuki Nagatsuka

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posted2022/12/04 17:01

「一番いい相手は“イケバナ”だ…」会見でスベったクロアチア指揮官ダリッチに油断はあるか? 日本を熟知した“影のキーマン”とは<Number Web> photograph by Getty Images

ロシアW杯でクロアチアを準優勝に導いたズラトコ・ダリッチ監督。4年前に見せた“神通力”はまだ残っているのだろうか

 さらに現在のクロアチア代表には、日本代表メンバーとクラブチームで一緒にプレーしている選手が複数いる。ヨシプ・ユラノビッチはセルティックで前田大然、ボルナ・ソサはシュツットガルトで遠藤航と伊藤洋輝、クリスティヤン・ヤキッチはフランクフルトで鎌田大地とチームメイトだ。過去の在籍クラブを振り返れば、デヤン・ロブレンはサウサンプトンで吉田麻也、リバプールで南野拓実と一緒。イバン・ペリシッチやマルセロ・ブロゾビッチ、マテオ・コバチッチはインテルで長友佑都、さらにモドリッチもレアル・マドリーで久保建英と一緒にやっている。長身FWのアンテ・ブディミルも、マジョルカ時代に久保と共にプレーした。

 ダリッチ監督は代表メンバーから個人情報を得ることを厭わず、前大会でもその手法で対戦相手を丸裸にしてきた。リオネル・メッシの情報は当時バルセロナのイバン・ラキティッチから、ロシアの情報はベドラン・チョルルカ(当時はロコモティフ・モスクワ)から大量に仕入れたことを回想書『我われの夢のロシア』で明らかにしている。上意下達の日本、下意上達のクロアチアという国民性の違いは、もしかすると試合に影響してくるかもしれない。

選手から吸い上げた情報で日本を丸裸に

 日本報道陣が多数集まった12月2日の記者会見でダリッチ監督はこう述べた。

「日本代表にはヨーロッパでプレーする選手がたくさんいることは私たちも知っている。ブンデスリーガには8人もいて、セルティックにもFWがいるはずだ。ヨーロッパのサッカーを彼らが知っているのは日本代表監督にとっても良いことだし、それには私たちも敬意を払っている。だが、あなたたちの選手を知っている選手が私たちのチームにはいて、そこから情報を得ることになるだろう」

 初のベスト8進出を懸けて日本が意気込んでいるように、クロアチアにとってもこのラウンドが最大の山場だ。ロシアW杯の決勝トーナメント1回戦、クロアチア対デンマークではスカウティングから漏れていた大会初出場のヨナス・クヌドセンのロングスローに四苦八苦し、開始1分でいきなり失点を食らった。

 それだけにグループリーグでは隠された日本の武器を、洗いざらい研究してくるだろう。「ミラクル・ターキー」に沈んだEURO2008以来、決勝トーナメント1回戦が鬼門だったクロアチアは、死闘の末にPK戦でデンマークを下して長年のトラウマを拭い去った。今度は日本が決勝トーナメント1回戦のトラウマを拭い去ることができるのか。それぞれの威信を懸けた戦いは現地時間の月曜日、19時(日本時間24時)キックオフだ。

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