「国内外で審判を務めていた頃、私はこれと同様のケースをたくさん見てきた。横から見るとボールがラインを越えているような場合でも、真上から見るとボールの端がラインにかかっていることがよくある」として、ボールを横から見た画像と真上から見た画像（この試合の映像ではない）を参考資料として提示。「三笘が左足でボールを折り返した際、ボールの端がゴールラインにかかっていたと確信している」と言い切った。

　この三笘がクロスを入れた場面はブラジルメディアの大きな関心を集め、日刊紙『フォーリャ・デ・サンパウロ』は1面でこのシーンの写真を掲載。「逆転ゴールにつながるクロスを入れる日本の三笘。VARは、ボールが完全にはゴールラインを割っていなかったと指摘した」というキャプションをつけた。また、日本のサポーターが嬉し泣きしている写真も掲載した。

　一方、日刊紙『オ・エスタード・デ・サンパウロ』はコスタリカを4－2で下したが得失点差で3位に沈んでGSで敗退したドイツの選手たちがショックを受けている写真を1面に掲載。「モロッコと日本が勝ち上がり、ドイツとベルギーが敗退」のキャプションを付けた。

　また、三笘がクロスを入れた瞬間の写真を掲載した。これはほぼ真上から撮影されたもので、ボールの端がゴールラインに接しているのが確認できる。

NARUTO好きのライターが書いた独特すぎ見解

　一風変わった論評をしたのは『ヤフー・スポーツ』だ。

「日本は“術”を用いてブラジルの仇敵を退け、スペインの背筋を凍らせた」の見出しで、日本のアニメ『NARUTO－ナルト』ファンのライターが独自の見解を披露した。

「日本は、火影（物語で設定された架空の階級とその人物）になることを目指すうずまきナルトのスピリットでこのW杯に挑んだ。

　その結果、まずドイツを逆転で下す。コスタリカには不覚を取ったが、ドイツ戦で用いた写輪眼を再び解き放ち、その術を用いてスペインにも逆転勝利を収めた。日本は、GSの火影となったのだ。ラウンド16ではクロアチアと対戦する」

　GSで日本がドイツとスペインをいずれも鮮やかな逆転で下したことは、ブラジルのメディアと国民に巨大なインパクトを与えた（私も、日本がドイツとスペインを下した直後、多くのブラジル人からお祝いのメッセージをもらった）。

　両国はいずれも元世界王者で、今大会でもブラジルが大いに警戒する強豪国であり、とりわけドイツはブラジルが2014年に自国で開催した大会の準決勝で1－7の大敗を喫した因縁の相手だからだ。

　元々、極めて親日的なこの国の人々が、今大会における日本代表の大躍進を目の当たりにして、一層、日本と日本人を好きになってくれたのは間違いない。

＜つづく＞

#5に続く

ベスト8ならずも…日本代表はイタリアで愛された「ドウアンは魔法の電子レンジ」「ご愛嬌のトミヤス代表監督」スペイン戦後の大絶賛

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。