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本田圭佑「安定って言葉は、僕の辞書にない」25歳の本田が語っていた”非エリート”の思考法「逆算の方程式はできていたね」
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byTamon Matsuzono
posted2022/11/27 17:10
2010年南アW杯の翌年、CSKAモスクワでプレーしていた本田圭佑に直撃インタビューすると…驚きの思考法を明かしてくれた
2010年1月、本田はオランダのフェンロからCSKAに移籍した。あれから約1年半が経過したが、まだ次のステップへの具体的な道筋は見えていない。しかし、トンネルを突き進む経験こそが、新たな上昇曲線につながることを本田はこれまでの経験から知っているのだ。
実際、今、本田は急激に調子を上げ始めている。2011年5月のロシアカップ決勝で決勝点をアシストしたのを皮切りに毎試合のように得点に絡み始め、CSKAが首位に立つ原動力になっている。2位アンジとの大一番ではゴールも決めた。この車に乗り込んだ日は、ちょうどそのアンジ戦の翌々日だった。
敗戦後、どう気持ちを切り替えているのか?
――最近の好調の理由は?
「あえてあげれば、足首の痛みがなくなったことかな。アジアカップで痛めて、ヨーロッパリーグのFCポルト戦でもひねった。その痛みがなくなってきている。まあ、点が取れるか取れないかは紙一重だから、ゴールが決まらなくても悲観はしていなかったけどね」
――誰だって試合に負けたら落ち込むと思う。敗戦後はどう気持ちを切り替えている?
「勝っても負けても、必ず次の週に試合のDVDを見直すようにしている。ただ、試合当日はプレーについては触れないようにしている自分がいますね。で、翌日から話をするようにしている」
――それはなぜ?
「試合後って、まわりが僕以上に気を使うでしょう。結果が良かったにしても、悪かったにしても。良かったら『おめでとう!』ってオレ以上に喜ぶし、負けたらオレ以上に悔しがっているから。心配かけたらあかんなっていう自分がいるんでしょうね、本能的に」
――でも翌日からは、自分から試合の話をすると。
「次の日になると、まわりがそこまでホットじゃないわけですよ。まあ、結局は人ごとですから(笑)。だから、オレは翌日から試合の話をする。『どうやった?』とか、意見を求めたりね」
――それは自分の考えを整理するために?
「やっぱり大事なのは、客観的に自分を見ることだから。誰しも自分を客観的には見にくいからね」
――本田くんでさえ?