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「いやいや、オレは優勝目指してるから」本田圭佑25歳が明かしていたW杯優勝のイメージ「グループ突破って、どんだけ低い目標なん!?」
posted2022/11/27 17:11
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph by
Tamon Matsuzono
Number783号(2011年7月21日発売)に掲載された『本田圭佑「俺の辞書に”安定”の文字はない」』を特別に無料公開します。<全2回の後編/前編を読む>
高速道路を降りると、高層マンションが立ち並ぶ一角が現れた。心なしか道路のアスファルトまできれいに見える。マンションの駐車場にはゲートがあり、1階のロビーにはスーツを着たコンシェルジュが立っているのが見えた。
「車を手配するので、それまでどこかで時間を潰しましょう」
本田の案内で敷地内を歩く。マンション同士の間隔はかなり離れており、木々が植えられて公園のようになっている。リャマが放し飼いになっている動物園のような場所もあった。「すごくいいところだね」と言うと、本田は「ここは守られている感じがするよね」と笑った。
敷地内にあるオープンカフェに入った。カラフルな布製のソファーに腕をまわして本田が座ると、雑誌の撮影のワンシーンのようになる。残念ながら、直撃取材なのでカメラマンが同行していないのだけど。
「エスプレッソをダブルで」と本田が注文した。自分も同じ物でと言うと、本田がロシア語で「ドゥヴァー(2つ)」と伝えた。ときおりそよ風が通り抜け、午後のゆったりとした時間が流れていく。
オレはスーパーマンでもなんでもない
――最近、日本代表選手の本が売れているんだけど、本田くんは出さないの?
「興味はないねぇ。まあ、もし引退してから出すことになったとしても、サッカーだけの本にはならないかな。偉そうな言い方になってしまうかもしれないけれども、変わりたいって思っている人に役立つような本になると思う」
――今日の取材の中にも、役立ちそうな話がいっぱいあった。
「まあ、やっていることはみんなとあまり変わらないんだけどね。結局、みんなが嫌がることを我慢してできるかどうかなんですよ。オレはスーパーマンでもなんでもない。ただみんなが嫌なこともやれるし、夢のためにやりたいことも我慢できる。それを本当に徹底していて、あとは人よりも思いがちょっと強いだけ。その差が結果に現れたりするんですよ」
――少しの差が、大きな結果を生み出すと。