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ドイツ実況が思わず「ありえない!」“W杯4度優勝”ドイツは衝撃的敗戦をどう受け止めた? 元主将シュバインシュタイガーは痛烈批判「ひどい守備のミス」
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中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byKoki Nagahama/JMPA
posted2022/11/26 17:03
ドイツ国内にも衝撃を与えた浅野の逆転ゴール。ドイツのテレビはどう伝え、英雄OBやサッカー少年は敗戦をどのように受け止めたか
ただ一方でドイツにも不安な点はあった。常に守備に不安を感じさせる試合が続いていたので、そこをどのように修正するのかが注目されていた。攻撃面では世界と渡り合えるレベルにあるが、守備での対応はかなり良くない。
試合開始40分前、ハンジ・フリック監督が解説を務める元ドイツ代表キャプテンのバスティアン・シュバインシュタイガーの質問に答える形でテレビのインタビューに応じていた。最後の親善試合だったオマーン戦の映像をみながら、自分達がボールを持っているときに攻撃に気持ちがいき過ぎて、ボールを奪われたときの準備ができておらず、間違ったポジショニングをしていると指摘され、どのように改善するつもりか?と質問を投げかけられていた。
フリックは「自分達もそこの問題は認識している。カウンター対策の練習を集中的に行っている」と話していたが、果たして日本戦ではまさにそうした守備組織のまずさをつかれての連続失点を喫してしまった。
実況がまさかの2失点目で思わず感情的に
同点ゴールのシーンでは実況を務めたゲルト・ゴットローブは「日本が徐々にパフォーマンスレベルを上げてきたことが報われるゴールとなりました。ドイツは失点前の時間で相手にスペースを許していました。この守備はよくなかった。あまりにあっさりと突破されています。十分なレベルではない」と指摘。
そして画面が切り替わり、控え選手を含め日本代表の全員が輪になって喜ぶ画が映し出されると、「これがチームスピリットの力です」と一言。
このシーンではまだ比較的冷静に実況していたゴットローブだが、流石に2失点目には思わず感情的になってしまっていた。
「ありえない。信じられない。ニコ・シュロッターベックは何をしていたんでしょうか? なぜアタックにいかない? 浅野をそのまま行かせてしまいました。2度もタックルに行くチャンスがありながら、そのままシュートを許してしまいました。ズーレはオフサイドラインを崩してしまっている」
試合後のシュバインシュタイガーが監督に指摘した問題点
終盤は長身FWニクラス・フュルクルークを投入し、最後はGKマヌエル・ノイアーも上げて必死に1点を奪いに行ったが、同点に追いつくことはできずに大事な初戦を落としてしまった。