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「モリヤスはアイデアで勝った」“歴史的番狂わせ”現地のドイツ人記者の本音…日本をどう見た?「アサノの2点目は信じがたいゴールだ」

posted2022/11/25 11:03

 
「モリヤスはアイデアで勝った」“歴史的番狂わせ”現地のドイツ人記者の本音…日本をどう見た?「アサノの2点目は信じがたいゴールだ」<Number Web> photograph by Getty Images

劇的な逆転勝利を挙げ、試合終了後に喜ぶ堂安律ら日本代表とドイツ代表DFリュディガー

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フィリップ・セルドーフ/南ドイツ新聞

フィリップ・セルドーフ/南ドイツ新聞Philipp Selldorf / Süddeutsche Zeitung

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日本代表が優勝4回を誇るドイツ代表を2-1で撃破した“大番狂わせ”。敗れたドイツ側の目にはどう映ったのか? カタールW杯を現地取材するドイツ人記者、フィリップ・セルドーフ氏(南ドイツ新聞)がNumber Webに本音で綴る。(翻訳:井川洋一)

「ハンジ・フリック監督の不可解な采配」

 まずはこれを読んでくれている方々に、日本代表の見事な逆転勝利おめでとう、と言いたい。あなた方を代表するチームは、これ以上ないほど最高のスタートを切った。仕事仲間や友人もいる日本の喜びは、ドイツ人の私にとっても嬉しいものだ。

 ただしこの試合結果は、ドイツが自ら招いてしまったところも大きい気がする。まず、あれほど圧倒した前半──ボール支配率が8割に近くなる時間帯もあった──と後半中盤までに、加点するチャンスが何度も訪れたのに、GK権田修一のビッグセーブもあってそれができなかったこと。そしてハンジ・フリック監督の不可解な采配だ。

 前半にイルカイ・ギュンドガンのPKで先制し、ドイツがまだそのリードを保っていた60分頃、カリファ国際スタジアムの記者席で戦況を見つめていた筆者には、試合がこのまま終わることはないと感じられた。少なくとも、日本に1点を返されるだろうと。

 なにも私が予言者だからというわけではなく、おそらくその時点では、多くの人々がそう捉えていたのではないだろうか。それほど、ドイツは試合をコントロールできなくなっていた。残り30分、1点のリードを守ろうとするのか、それとも突き放しにかかるのか──。その意思統一ができず、曖昧な戦い方になっていった。

 前線からのゲーゲンプレスの勢いがなくなり、日本の選手たちにスペースを与え、リズムを取り戻させてしまった。かたや、守備陣は依然としてラインを下げず、日本の攻撃に備えることができなかった。つまり、全体的には基本戦術通りに相手陣内でプレーしようとしたが、ハイプレスの強度が薄れたことで、実にリスキーな展開になっていったわけだ。

理解に苦しむ交代カード「ギャンブルに負けた」

 そして67分に、フリック監督がギュンドガンとトーマス・ミュラーを下げたことで、中盤の主導権争いでさらに劣勢に立たされてしまうことに。特にドイツのポゼッションの中心的な存在だった前者を交代させたことが大きかった。この重要な2人を替えた6分後に伊東純也が決定機を迎え、8分後に堂安律の同点ゴールを喫した。

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