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スペイン人記者が断言「日本の番狂わせはクボ次第」チーム移籍後に激変…久保建英が最大の脅威と語るワケ 「スペインの弱点を知っている」
text by
ロベルト・ラマホ/ディアリオ・アスRoberto Ramajo
photograph byKiichi Matsumoto
posted2022/11/23 17:11
カタールW杯で番狂わせを起こす鍵は「クボの意外性」。スペイン人記者がそう語る理由とは
さらには守備面でもたくましさを身につけた。
現代フットボールでは、ポジションを問わず守備面のタスクを全うするためのタフさが求められる。苦しんだ時期を経て、ボール扱いの名手であるだけでは足りないことを学んだのだろう。声を張り上げて要求し続けるイマノル・アルグアシル監督の期待に応え、クボは球際でも戦える選手に成長した。
それではドイツ、コスタリカ、スペインと対戦するワールドカップで、クボは難敵相手にどのような脅威をもたらすことができるのか。
スペインを苦にしない“久保の特性”
鍵の1つはプレッシングにある。
プレー強度、機動力ともに磨きのかかった今季のクボは、イマノルが求める高い緊張感を保ちながら、相手のビルドアップを阻むべく前線を駆け回り続けている。
とりわけGKを追い込むプレッシングについては、今やラ・リーガでも指折りのプレーヤーとなった。二輪車のように力強く、ナイフのように鋭く圧力をかける彼のプレッシャーに手を焼いたGKは1人や2人ではない。第6節エスパニョール戦でGKアルバロ・フェルナンデスからボールを奪い、アレクサンダー・ソルロートのゴールをアシストしたシーンはその最たる例だ。
取るに足らないことだと思われるかもしれない。だがワールドカップのような短期決戦の大会では、あらゆるディティールが明暗を分ける。1つのミスが早期敗退のきっかけとなることも十分にあり得るのだ。
しかもスペインの守護神ウナイ・シモンは、その手のプレッシャーを苦手とするGKだ。彼は足元でパスを受けた際、判断の遅れから危険なミスを犯すことがある。そのタイミングで素早くプレスをかければ、何が起こり得るのか。ラ・リーガでプレーするクボは、そのことをよく知っているはずだ。