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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「鎌田大地は“戦える選手”なんです」東山高校・福重良一監督が明かす素顔と“W杯チケット秘話”「一応、恩師と思ってるんかなぁ(笑)」
text by
曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byNumber Web
posted2022/11/22 11:07
教え子・鎌田大地の活躍に目を細める東山高校サッカー部の福重良一監督。高校時代の鎌田のエピソードや、指導者としての“親心”を語ってくれた
教え子の大活躍にいま、恩師が思うこと
今季ブンデスリーガで13試合7ゴール、DFBポカールで2試合2ゴール、そしてチャンピオンズリーグで6試合3ゴールと、抜群の決定力を発揮している鎌田。日本代表でも、9月23日のアメリカ戦で先制ゴールを決めている。
福重によると「高校時代は、どちらかというとパスに美学を持っていた」という鎌田だが、意識さえ変われば、得点を量産できるだけの素地はあったという。
「高校生のときからシュートはむちゃくちゃうまかったですよ。だから『なんでもっと打たへんのかな』というのはありました。でもプロに行って、さらに海外に行って、1点という結果で評価が大きく変わることを理解してから、ゴールへの意識は明確に変わった。シント=トロイデンのときなんか『得点王にならんとフランクフルトに帰れない』くらいの感じでしたし。今は多少強引にでもシュートを狙うようになって、ゴールにこだわっているのが伝わってきますよね」
鎌田が現在も攻守両面でプレーの幅を広げ、成長を続けられているのはなぜか。福重は「サッカー偏差値がめっちゃ高いんですよ。とにかく賢い。そこに関しては僕なんかよりも全然上やから」と教え子を称えつつ、冗談めかしながら“課題”を指摘した。
「ただね、『もっと大人ウケ、万人ウケする態度をとったほうがいいよ』というアドバイスはしたい(笑)。大地は相手をよく観察していて、『この人、サッカーわかってへんな』というときはあまり喋らないから。それも最近は変わってきてるんかな? フランクフルトで長谷部(誠)選手が言ってくれているのかもしれないですね(笑)」
恩師はそう語るが、おそらく心配は無用だろう。いかに飄々としていて、寡黙で、誤解を受けやすいキャラクターだとしても、W杯で活躍したそのときは――。“クールな熱血漢”の言葉に、日本中が耳を傾けるに違いない。
<前編から続く>
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