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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「鎌田大地は“戦える選手”なんです」東山高校・福重良一監督が明かす素顔と“W杯チケット秘話”「一応、恩師と思ってるんかなぁ(笑)」
text by
曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byNumber Web
posted2022/11/22 11:07
教え子・鎌田大地の活躍に目を細める東山高校サッカー部の福重良一監督。高校時代の鎌田のエピソードや、指導者としての“親心”を語ってくれた
鎌田大地が手配した“カタールW杯のチケット”
高校3年生になった鎌田には、いくつかの大学から練習参加の声がかかっていた。一方で複数のJクラブも獲得に興味を示していたが、夏を迎えても正式なオファーは届かず。当時の進路選びについて、福重は「大学への進学はまったく考えていないようでした」と打ち明ける。
「若いうちから海外で活躍することを考えたら、大学で4年間過ごすわけにはいかないと。『絶対に高卒でJリーグに入って、1年目から試合に出て、20歳までに海外に行く』と言っていました。僕が考えている以上に、大地は本気で“上”を目指していた。いくつかのクラブが目をつけてくれていましたが、内定があったわけじゃありません。それでも、何があっても自分の夢を追いかけるんだ、という強烈な意志を感じましたね」
鎌田がサガン鳥栖の内定を勝ち取ったのは2014年の秋、入団が発表されたのは選手権の府大会準々決勝で敗れた後の11月17日だった。それも簡単に決まったわけではない。福重がサガン鳥栖の牛島真諭スカウト(当時・現鹿島アントラーズ)に「大地を見てください」と伝え続け、さらに牛島がクラブの強化部に猛プッシュした結果、ようやく獲得のゴーサインが出たのだった。
「大地は人を動かす“なにか”を持っているんでしょうね。本人も『周囲の人に恵まれた』とよく言っていますが、牛島さんとの出会いも、鳥栖で1年目から森下(仁志)監督に使ってもらえたのも、本当に幸運やったと思いますよ」
「東山高校での監督との出会いも、鎌田選手にとっての幸運のひとつなのでは?」と水を向けると、福重は「いやいや。僕は高校の3年間、彼に関わっただけなんで」と照れくさそうに微笑んだ。
「厳しいこともたくさん言いましたからね。それが本当に合っていたかもわかりませんし……。ただ、大地がカタールW杯のチケットを手配してくれたんですよ。一応、恩師と思ってくれてるんかなぁと(笑)」