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“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
二刀流・矢澤を獲得した日本ハムがパ最高「70点」ではドラフト最低評価の球団は?「高校生ゼロは驚き」「なぜスラッガーではなく投手を?」
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byJIJI PRESS
posted2022/10/23 11:01
きつねの耳をつけてファイターズの1位指名を喜ぶ矢澤宏太(日体大)。大学野球界の二刀流として早くから注目されてきた
★楽天 50点
ロッテとの競合の末に1位入札した荘司康誠(立教大・投手)の交渉権を獲得した。1位指名を表明していた選手なので狙い通りの指名と言えるが、6人中5人も大学・社会人の投手を指名したことには驚かされた。
田中将大、則本昂大、岸孝之、涌井秀章の4本柱は確かにベテランが揃うが、余力はある。他にも次期エース候補の左腕・早川隆久が控えていることを考えれば、中期的な視野をもって高校生も交えた指名をしてほしかった。吉と出るか、凶と出るか。来季のシーズンの起用法に注目しつつ、2023年のドラフトも注視していきたい。
注目するのは6位林優樹(西濃運輸・投手)。甲子園で話題を集めた近江時代はストレートの速さこそなかったが、コントロールと縦変化のカーブを交えた技巧的ピッチングが光った。社会人になってストレートが最速147キロまで伸び、ピッチングに奥行きが出てきた。チームの顔になれる存在かもしれない。
[指名一覧]
1位 荘司 康誠 投手 立教大 右右
2位 小孫 竜二 投手 鷺宮製作所 右右
3位 渡辺 翔太 投手 九州産業大 右右
4位 伊藤 茉央 投手 東京農業大北海道オホーツク 右左
5位 平良 竜哉 内野手 NTT西日本 右右
6位 林 優樹 投手 西濃運輸 左左
《育成指名》
1位 辰見 鴻之介 内野手 西南学院大 右右
2位 古賀 康誠 投手 下関国際高 左左
3位 竹下 瑛広 投手 函館大 右右
4位 永田 颯太郎 内野手 国立台湾体育運動大 右左
前評判高い投手を4位と5位で獲得
★西武 70点
強打を誇った強力打線にも年齢的な衰えが見えはじめた西武。外野陣に愛斗、川越誠司、鈴木将平など若手や中堅選手を起用してきたが、レギュラー定着には至ってない。その状況を鑑みれば実績、知名度とも十分な蛭間拓哉(早稲田大・外野手)の1位指名は納得できる。逆に弱いと言われてきた投手が防御率2.75、44セーブもリーグ1位の成績を見せたところも1~3位まで全て野手という指名に向かわせた要因だろう。
前評判の高かった青山美夏人(亜細亜大・投手)、山田陽翔(近江・投手)を4、5位で獲れたのもラッキーだった。
青山は最速151キロのストレート以外のカーブ、チェンジアップ、カットボールのキレも一級品で、よくこの順位で獲れたと思うほどの素材だ。上位予想された山田も“まとまっている”ことが低く評価された原因だと思うが、それは決して悪いことではない。ここからの挽回を期待したい。
[指名一覧]
1位 蛭間 拓哉 外野手 早稲田大 左左
2位 古川 雄大 外野手 佐伯鶴城高 右右
3位 野田 海人 捕手 九州国際大付高 右右
4位 青山 美夏人 投手 亜細亜大 右右
5位 山田 陽翔 投手 近江高 右右
6位 児玉 亮涼 内野手 大阪ガス 右右
《育成指名》
1位 野村 和輝 投手 石川ミリオンスターズ 右右
2位 日隈 モンテル 外野手 徳島インディゴソックス 右右
3位 三浦 大輝 投手 中京大学 右左
4位 是澤 涼 捕手 法政大学 右右