オリックスの絶対エース山本由伸に何が起こったのか？ 日本シリーズ初戦で初体験した”神宮球場の罠”とは「違和感があったりして…」

　昨年の再戦となった日本シリーズ。その初戦でオリックスにとっては計算されたはずの1勝が消えた。

　絶対的な存在として2年連続投手4冠に輝くエースの山本由伸投手を先発に立てた第1戦。その安定感、大事な試合での勝負強さは、昨年のシリーズでも2試合15回を投げて2失点、防御率1・20という数字に表れている。そして今季もソフトバンクとのクライマックスシリーズ、ファイナルステージ第1戦では8回5安打無失点という結果が証明してきたはずだった。

　満を持して送り出したはずのその“エースの神話”が1回、いきなり崩れていった。

相手が山本投手なので1、2、3でいきました

　プレーボール直後の初球だった。

「相手が山本投手だということで、真っ直ぐを投げてくれると信じて1、2、3でいきました」

あわやサイクル安打の大活躍だったヤクルトの塩見©︎Naoya Sanuki

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　こう語ったヤクルト１番の塩見泰隆外野手が待っていた真っ直ぐが真ん中に甘く入ると、打球は左前にライナーで弾んだ。2番の山崎晃太郎外野手は155㎞のストレートで空振り三振に打ち取ったが、塩見が二盗に成功。山田哲人内野手を3球三振に抑えた2死から迎えたのが、三冠王・村上宗隆内野手との対決だ。

　初球の154㎞がインコースの膝下に外れる。慎重になり過ぎたのかそこからカーブ2球もボールとなって、最後はフォークが低めに外れてストレートで歩かせる。

　そうして打席に迎えたのが勝負強い5番のホセ・オスナ内野手だった。

　初球のフォーク、2球目の真っ直ぐ。いずれもピクリとも反応しなかったオスナが、3球目のカーブを狙いすましたように強振した。痛烈なゴロが三塁ベース付近を襲う。三塁塁審が1度は「ファウル」と両手を上げかけた。しかし打球がベースをかすめて方向を変えたのを見て、慌てて両手を広げて「フェア」の判定。打球がブルペン付近へと転がっていく間に2人の走者がホームを駆け抜けた。

山本由伸とオリックスの”誤算”とは

　山本にとってもオリックスベンチにとっても、まさかの初回の2失点だった。

　ただ、誤算はこれだけではない。

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