沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER

菊花賞の本命も穴馬も、“春クラシック出走の3頭”は外せない? アスクビクターモアは「長距離で花開く」と調教師も確信 

text by

島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

PROFILE

photograph byPhotostud

posted2022/10/22 17:03

菊花賞の本命も穴馬も、“春クラシック出走の3頭”は外せない? アスクビクターモアは「長距離で花開く」と調教師も確信<Number Web> photograph by Photostud

セントライト記念を勝ったガイアフォースと2着のアスクビクターモア。菊花賞でも1,2番人気になることが想定される

 今回の出走馬で、春の二冠の両方に出たのはこの馬を含めて3頭しかいない。春のクラシックに出るには、トライアルで結果を出すなり、賞金を稼いでおくなりしたうえで、体調をそこに合わせなければならないわけだから、出走したこと自体が高く評価されるべきだ。昔から「菊花賞は強い馬が勝つ」と言われているが、「強い馬」というのは、競走能力が高いことに加え、ターゲットに合わせていくことのできる強さも持っている馬、と考えるべきではないか。アスクビクターモアは、まさにそれである。田村調教師の「以前から長距離で花開くと思っていた」というコメントも心強い。

春の二冠に出走している“穴馬”として面白いのは

 春の二冠両方に出走したもう1頭で、前走、トライアルの神戸新聞杯を快勝したジャスティンパレス(牡、父ディープインパクト、栗東・杉山晴紀厩舎)も有力候補だ。春の二冠はともに9着だったが、2歳時に、出世レースの黄菊賞を2戦2勝で勝ち、ホープフルステークスで2着となった素質馬である。

 17番という外枠を引いてしまったが、父カーリンの半兄パレスマリスは米三冠の最終戦でダート2400mのベルモントステークスの勝ち馬で、父オルフェーヴルの半兄アイアンバローズはステイヤーズステークス2着と、母系はスタミナが豊富。

 なお、春の二冠両方に出た残りの1頭はビーアストニッシド(牡、父アメリカンペイトリオット、栗東・飯田雄三厩舎)で、この馬は行こうと思えば前に行けるし、阪神では未勝利勝ちと京都2歳ステークス2着とコース適性があるので、穴馬として面白い。

 1番人気になるのは、セントライト記念を勝った芦毛馬ガイアフォース(牡、父キタサンブラック、栗東・杉山晴紀厩舎)だと思われる。新馬戦ではダービー馬ドウデュースの2着となり、阪神の未勝利戦を圧勝。中京のあずさ賞2着を経て、小倉の国東特別をレコード勝ちし、キャリア5戦目でセントライト記念を迎えた。道中は前出のアスクビクターモアをマークして進み、直線で競り落とす、強い競馬で重賞初勝利。セントライト記念を勝って菊花賞というのは父キタサンブラックと同じローテーションだ。ここを勝てば史上14組目の菊花賞父仔制覇となる。

【次ページ】 大混戦から抜け出す馬は…

BACK 1 2 3 NEXT
アスクビクターモア
ジャスティンパレス
ビーアストニッシド
ガイアフォース

競馬の前後の記事

ページトップ