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「矢澤宏太の二刀流は大谷翔平と違う形」「複数球団が1位指名しそうなのは…」スカウトが“ドラフト有力大学生・社会人”をガチ評価 

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間淳

間淳Jun Aida

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posted2022/10/14 17:01

「矢澤宏太の二刀流は大谷翔平と違う形」「複数球団が1位指名しそうなのは…」スカウトが“ドラフト有力大学生・社会人”をガチ評価<Number Web> photograph by JIJI PRESS

日体大で「二刀流」として注目を集め、ドラフト会議での目玉の1人となりそうな矢澤宏太。プロ野球スカウトの評価は?

 スカウトは「向上心や負けん気の強さ、課題を認識して改善する能力は競争を勝ち抜くために不可欠です。矢澤選手のコメントを見ていると、プロ入りがゴールではないという気持ちや考え方が出ています」と語る。

 昨年は体力や調整方法に課題があり、大学のリーグ戦で二刀流の両立に苦労していたが、今年は先発投手をした翌日の試合でも下半身に強さがあるという。藤嶺藤沢高校3年の時にプロ志望届を出しながら指名漏れした経験も、大学での成長につながっていると指摘する。

内角への対応力、二塁送球が光る捕手は名城大の…

 今秋のドラフトでは、大学生187人がプロ志望届を提出している。矢澤投手の他にも複数の選手が上位指名されると予想されている。野手では立教大の山田健太内野手、早稲田大の蛭間拓哉外野手、中央大の森下翔太外野手らの名前が挙がる。

 その中で、スカウトが「多くの球団が興味を持ち、ドラフト戦略で悩んでいるはず」と話すのが、名城大の野口泰司捕手の存在だ。

「打力のある捕手は、どの球団もほしい選手です。一方、プロに入ると捕手は守備の練習に大半の時間を使うため、打てる捕手としてプロでプレーするのは相当高いハードルです。大学や社会人は即戦力になるかが、指名する基準の1つになります。その中で、大学、社会人の有望捕手を他球団に指名されたくないと思っていても、プロで活躍できるかどうかの判断が難しい捕手を上位で指名する決断は簡単ではありません」

 野口捕手は今月16日まで予定されている愛知大学野球の秋季リーグで10月10日現在、打率.359(リーグ4位)、3本塁打(リーグ2位)、9打点(リーグ1位タイ)と好成績を残している。リーグ2位につけるチームを4番打者としてけん引する。スカウトは野口捕手の特徴を、こう分析する。

「大阪桐蔭の松尾汐恩選手や桐蔭横浜大の吉田賢吾選手がドラフトの注目捕手として名前が挙がっていますが、プロでは厳しくなる内角への対応とパワーは、野口選手が上だと思っています。守備面では二塁送球の精度の高さを評価しています。攻守において技術の高さは間違いありませんが、ドラフト会議における大学生捕手の指名は選手の能力以外の部分も影響してきます」

複数球団がドラ1の可能性…白鴎大・曽谷の持ち味とは

 大学生投手の中で「複数球団が1位で指名する可能性がある」と評価したのは、オリックスが1位指名を公表した白鴎大の曽谷龍平投手だった。

 身長183センチのスリークォーターから、直球の最速は150キロを超える。今夏は大学日本代表に選ばれ、オランダで開催されたハーレム国際大会に出場した。3試合で計3イニングを投げて無失点。直球に得意のスライダーを組み合わせ、7つの三振を奪った。スカウトは「今年のドラフト対象となる左腕ではナンバーワン」と言い切る。

【次ページ】 最速155キロの小孫は「1年目からフル回転する予感」

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