スカウトに聞く「甲子園未出場もドラフト“将来性重視の高校生”4人」 左がイヒネなら右は大砲候補「最も楽しみな」150キロ左腕とは

　プロ野球のドラフト会議が10月20日に迫っている。高校生は154人がプロ志望届を提出した。注目されているのは、すでに巨人が1位指名の方針を固めている高松商の浅野翔吾外野手、2年春から4季連続で甲子園に出場した大阪桐蔭の松尾汐恩捕手、投打で高校トップレベルの力を持つ近江の山田陽翔投手といった聖地を沸かせた選手たち。

　だが、甲子園の舞台に立っていない選手の中にも金の卵がいる。今回は甲子園出場経験がない選手に限定し、プロ野球のスカウトが上位指名を予想する野手と投手を2人ずつ明かした。

　スカウトが評価の基準にしたのは、「将来チームの主力になり得る伸びしろ」と「プロで大きく化ける可能性」。大学や社会人と違い、各球団は高校生に期待値を込めて指名している。

あの一発を見たら、プロでどこまで化けるのか

　打者の1人目に挙がったのは、ナイジェリア人の両親を持つ誉のイヒネ・イツア内野手。

誉のイヒネ・イツア内野手　©PPAB-lab.

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　ソフトバンクが1位指名を公表したイヒネ内野手は、身長184センチ、体重83キロと体格に恵まれ、俊足、強肩と身体能力が高い。背筋を真っ直ぐに伸ばし、幅の狭いステップからスイングする姿は、メジャー通算630本のホームランを記録した元マリナーズのケン・グリフィーJr.と重なる。スカウトは打力を高く評価する。

「体幹が強くバランス感覚が優れているので軸がぶれません。弱点が少なく体勢を崩されてもヒットにできる技術があります。スイングスピードが速く、フォロースルーが大きいので確実性を保ちながら、飛距離も出せます。特に高校生とは思えない驚きを感じさせるのは、内角のさばき方です」

　中でも印象に残り、イヒネ内野手のすごさが詰まっている打席に挙げたのが、今夏の愛知大会初戦、中部大第一戦で放った決勝3ランだった。肘をたたんで体を回転させ、右投手が投じた内角いっぱいの直球をライトスタンドへ運んだ。

「リストが強く、かつ柔らかい。内角への対応は指導や練習だけではどうにもならない部分がありますが、イヒネ選手は感覚が優れているんだと思います。あの一発を見たら、プロでどこまで化けるのか見たくなります。スピードがあって肩も強いので高校ではショートをしていますが、足の運び方や体重移動など動きの質を見ると、プロでは外野手の方が良いと考えています」

内藤選手は、村上選手と同じようなスタイルを

　左打者で最も将来性を感じるのがイヒネ内野手なのに対し、右打者は日本航空石川の内藤鵬内野手の名前を挙げた。

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