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「矢澤宏太の二刀流は大谷翔平と違う形」「複数球団が1位指名しそうなのは…」スカウトが“ドラフト有力大学生・社会人”をガチ評価
posted2022/10/14 17:01
text by
間淳Jun Aida
photograph by
JIJI PRESS
運命を決める1日まであと6日となった。プロ野球ドラフト会議が10月20日に開かれる。将来性を重視する高校生と違い、指名される大学生と社会人は即戦力の期待がかけられている。
今秋のドラフトでは、巨人が1位指名を固めている高松商の浅野翔吾外野手が目玉の1人になっている。一方、大学生では「矢澤選手が中心になる」とプロ野球のスカウトは話す。
日本ハムがドラ1公表の矢澤は“大谷と違う二刀流”?
日体大の矢澤宏太投手。日本ハムがドラフト1位指名を公表した左腕は、大学野球で異例となる投手と野手の二刀流をこなす。
リーグ戦の日程は土日の連戦となるため、矢澤投手は土曜日に先発マウンドに立ち、日曜日はDHで出場する。いずれも打順は3番か4番と中核を担う。海の向こうではエンゼルスの大谷翔平投手が二刀流で成功を収めているが、矢澤投手がプロ入り後も投手と野手を両立させるのか注目されている。
矢澤投手は身長173センチ、体重72キロと決して体は大きくないが、マウンドに立てば左腕から最速152キロの直球を投じる。打者としてもスタンドに運ぶ長打力がある。
投打どちらも評価される中、プロ野球スカウトの1人は「矢澤選手を指名するのか、競合する可能性を避けるのか。さらに、投手と野手どちらで戦力に考えているかによって各球団のドラフト戦略が大きく変わります。野手1本で勝負すれば、早い時期からチームの中心選手になれる可能性が高いです」と評する。
「逆方向に飛ばす長打力がありますし、バットコントロールも上手い。体の軸が強くて安定しているので、内角も外角も、速い球も変化球も対応できます。ただ、打撃以上に魅力的なのは足です。地面を蹴る強さ、体のバネは、日本のプロ野球に今すぐ入ったとしてもトップレベルです」
野手でスタメン→中継ぎという新たな形も
矢澤投手は50メートルを5秒台で走る俊足も武器にしている。スカウトはタイムの素晴らしさはもちろん、一歩目の動き出し、トップスピードに乗るまでの速さに驚く。
「長打も打てる1番打者として打線に座ると、相手チームはやりづらいと思います。対戦する投手のクセを掴むまでに一定の期間は必要ですが、盗塁はシーズンで40、50個は十分に記録できる足があります。二刀流をするのであれば、大谷選手のように先発投手ではなく、野手でスタメン出場して中継ぎをする新しい形に適性や可能性を感じています」
そして――二刀流に挑戦するにしても、投手か野手の1本に絞るにしても、矢澤投手の性格はプロ向きと指摘する。