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楢崎正剛に聞いてみた「日本人GKには何が足りない?」…W杯の対戦相手は“最高の比較対象”「ノイアーやナバスとやれるのはチャンス」 

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2022/10/05 17:26

楢崎正剛に聞いてみた「日本人GKには何が足りない?」…W杯の対戦相手は“最高の比較対象”「ノイアーやナバスとやれるのはチャンス」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

4大会連続でW杯メンバーに選出され、Jリーグ通算660試合出場を果たしたレジェンドに、「日本人GKの現在地」について話を訊いた

川島永嗣は肉食動物?「とにかく野心がすごい」

――では、よく知る相手ということで川島選手について教えてください。2004年から2006年にかけては、名古屋でもチームメイトでしたね。

「彼のすごいところは、ずばり野心です。名前をレフ・ヤシン(旧ソ連の伝説的GK)にすればいいのに(笑)。能活とはまた違う貪欲さがありましたね。自分のためになるものを、探して、探して、吸収していく。肉食動物ですよ(笑)。『いいものがあれば、全部食ってやろう』っていうのがにじみ出ていました。名古屋で一緒にやっていたとき彼は20代前半だったけど、まだ経験がないだけで、GKとして堂々とした存在感がありましたし、向上心に満ちあふれていました。当然負けず嫌いでしたし、トレーニングに対する取り組み方も立派でしたね。(秋田)豊さんや(藤田)俊哉さんといった年長の選手のコミュニティに入っても物怖じをしないし、同時にリスペクトも欠かさない。人間的にも成熟していた印象が強くあります」

――だからこそ、海外で長くプレーすることができているのかもしれませんね。

「そうですね。うまくなりたい気持ちとか、試合に出たいとか、いい意味での野心を結果に繋げることができる人間だと思います」

――かつての楢崎さんや川口さん、そして川島選手と、長く日本代表の守護神として君臨する選手がいる一方で、下の世代のGKの出場時間が限られてしまうことも懸念されます。

「軸となる選手がいたとしても、いろんなタイミングで新しい選手にチャンスを与えるということは大事だとは思います。どのタイミングかというのは、マネジメントの観点でいろんな意見があるかもしれません。でも、そういう新たな選手の起用によって、柱になる選手もピリッとする一面もあります。今は海外に出る選手が多いので、そのあたりの難しさもさらにあるのかもしれませんが、リーグでいいプレーをしている選手がいればチャンスを与えてほしいですね」

――W杯という大舞台であえて若い選手を起用することで、未来に繋がる大会になるという声も聞かれますが。

「でも、W杯ですから。先のことを考えるのは大会後でいい。W杯はその時点でのベストの選手が出るべきだし、ベストなチームを組んで戦うべき大会だと思います」

<前編から続く>

#1から読む
「変な意地みたいなものは…ありましたね(笑)」楢崎正剛がいま明かす川口能活への“憧れと対抗心”「GK同士の関係はバチバチでもいい」

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