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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
楢崎正剛に聞いてみた「日本人GKには何が足りない?」…W杯の対戦相手は“最高の比較対象”「ノイアーやナバスとやれるのはチャンス」
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byKiichi Matsumoto
posted2022/10/05 17:26
4大会連続でW杯メンバーに選出され、Jリーグ通算660試合出場を果たしたレジェンドに、「日本人GKの現在地」について話を訊いた
W杯の対戦相手は「GKにとってはラッキー」
――11月にはいよいよW杯カタール大会が開幕します。グループリーグで、日本はドイツ、コスタリカ、スペインとの対戦が決まっています。
「マヌエル・ノイアーやケイロル・ナバスなど世界的なGKと対峙することになったわけですが、日本のGKは逆に印象を残しやすいと感じます。最高の比較対象が目の前にいるわけですから。単純に相手よりも目立てばいい。W杯で活躍すれば、高い評価が得られる。GK目線では、そういうチャンスのあるグループだと思います」
――GKとして見ると、ある意味「ラッキーな対戦カード」だと。
「ラッキーだと思います。ドイツやスペイン相手でも決して防戦一方になるとは思えないし、いい試合ができるはず。そのなかで印象的かつ確実なプレーを見せることができれば、『日本のGKはこういうレベルなのか』ということをわかりやすく世界に知らしめることができますから」
――現在の日本代表では権田修一選手がGKの一番手と見られています。ほかにシュミット・ダニエル選手、川島永嗣選手もいますし、東京五輪代表の谷晃生選手、大迫敬介選手やパリ五輪世代の鈴木彩艶選手などにも注目が集まっています。
「現代的な流れに沿ったモダンなプレーは若い世代の選手のほうが得意な印象はありますけど、一方で守備面でのパワー不足を感じることもありますね。どちらに比重を置くかは、監督の好みもあるでしょうし……」
――以前、田中マルクス闘莉王さんのYouTubeチャンネルで、鈴木彩艶選手の名前を挙げていましたね。
「彩艶選手については、アカデミーの現場で浦和レッズと対戦したり、クラブユースの試合やアンダーの代表などで、実際にプレーを見たことがあるんです。そのときにスケールの大きさを感じました。それでたまたま彼の話をしたんですが、彩艶選手についてもそれ以上のことは知らないし、ほかの選手についての情報もそれほど持っているわけじゃない。どの選手がいいとか、そういうことは言えないですよ(笑)」