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「試合に出るには西田有志と勝負しないといけない」バレー宮浦健人(23歳)が覚悟の海外挑戦…控えめな性格に変化? 早稲田時代から20キロ増
text by
岩本勝暁Katsuaki Iwamoto
photograph byYUTAKA/AFLO SPORT
posted2022/10/04 17:01
左利きのオポジットと共通点が多い宮浦健人(左)と西田有志。宮浦は西田がイタリアへ移籍した昨季のVリーグで日本人のトップのスコアを叩き出している
イタリアのセリエAでプレーしていた同じオポジットで左利きの西田有志(22歳)がジェイテクトに復帰するというニュースも後押しになった。出場機会を求めての移籍かと問われても否定はしない。だが、宮浦の決断は、至って前向きだ。
「自分にとっては、海外に行けるチャンスじゃないかと思ったんです。もし西田選手の復帰がなかったら、自分の移籍も1、2年、先に伸びていたかもしれません。そう考えると、僕にとっても(西田のジェイテクト復帰は)プラスだったと思っています」
今季のジェイテクトなら、仮に出場機会が減ったとしても得るものは多いのではないか――。今年の夏にそんなことを聞いたことがある。
だが、それも愚問だった。
「確かにそうかもしれません。でも、新しいチームにも高さのあるオポジットがいますから」
199cmのベンタラとポジションを争う
東京オリンピックにも出場したチュニジア人のワシム・ベンタラだ。身長だけを比較すれば、190cmの宮浦より9cmも高い。
「映像で見た限りですが、すごく高さのある選手で、自分とはタイプが違うかなと思っています。逆に自分は、ベンタラ選手にないスピードだったり細かい技術で勝っていけたらいい。ただし、高さは自分にも必要な部分だと思っているので、ベンタラ選手に近づけるようなトレーニングを、今年1年やっていきたいと思います」
海外に主戦場を移す上で、宮浦がこだわったのは「若さ」だ。
「僕はまだ若いし、体力もあります。筋力の部分を考えても、若いほうが回復も早い。もちろんポーランドに行ったら、日本にいた時よりも高い出力でプレーしなければいけません。その分、吸収力は高まりますが、一方で体にかかる負担も大きくなります。でも、高い出力で練習して回復し、また高い出力で練習して回復し、というサイクルを繰り返していけば、必然的に(スパイクの)高さも出てきます。言葉の部分で勉強になることも多く、何事も若いうちにやっておいたほうがいいのかなと思っています」