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「試合に出るには西田有志と勝負しないといけない」バレー宮浦健人(23歳)が覚悟の海外挑戦…控えめな性格に変化? 早稲田時代から20キロ増 

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岩本勝暁

岩本勝暁Katsuaki Iwamoto

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photograph byYUTAKA/AFLO SPORT

posted2022/10/04 17:01

「試合に出るには西田有志と勝負しないといけない」バレー宮浦健人(23歳)が覚悟の海外挑戦…控えめな性格に変化? 早稲田時代から20キロ増<Number Web> photograph by YUTAKA/AFLO SPORT

左利きのオポジットと共通点が多い宮浦健人(左)と西田有志。宮浦は西田がイタリアへ移籍した昨季のVリーグで日本人のトップのスコアを叩き出している

 8月の世界選手権で日本は、五輪王者のフランスを相手にフルセットに持ち込むなど真価を発揮した。だが個人に目を向けると、宮浦の出場は2枚替えなどのワンポイントに留まっている。

「日本としては、世界のトップに近づいた大会になりました。ベンチから見ていても、フランス戦やキューバ戦はすごく学ぶところが多かった。確かに試合に出られなかったことは悔しいです。でも、その気持ちは次に生かします」

 無双ぶりを発揮した西田からもたくさんの刺激を受けた。

「大事な場面で力を発揮できるというのが本当にすごいなと思いました。もちろん、試合の時は日本が勝てるように全力で応援していました。でも、自分が試合に出るには、そこ(西田)と勝負していかないといけません。彼のことはすごくリスペクトしていますけど、自分ももっと頑張らないといけないと感じました」

 両者の実力に大きな乖離があるとは思えない。しかし、イタリアに移籍した西田に代わる形で出場機会を得た昨季のVリーグは、コンスタントにチームを勝たせられずリーグ7位に甘んじた。主力としてパリ五輪のコートに立つためには、意識せざるを得ない存在と言えよう。もとより同じ時代を生きるオポジットとして、2人の対比はつきまとう。

 だが、その競争を誰よりも楽しんでいるのが、他ならぬ宮浦ではないか。

 西田からは、海外移籍にあたって「とにかく遠慮せずにたくさんコミュニケーションを取ること」を助言された。難しいけど、やればなんとかなります――そう話す宮浦の顔は晴れやかだ。

 もともと感情を表に出すタイプではなかった。スパイクを決めてもガッツポーズは控えめ。コートの傍まで近寄らないと、雄叫びも聞こえない。

 レギュラーとして戦った昨季のVリーグで、忘れられない一戦がある。

 1月16日、ホームのウィングアリーナ刈谷で行われた東レ戦は、のちに宮浦が「大きな学びになった」と話したゲームだ。

【次ページ】 覚悟を決めて放ったスパイク

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