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「試合に出るには西田有志と勝負しないといけない」バレー宮浦健人(23歳)が覚悟の海外挑戦…控えめな性格に変化? 早稲田時代から20キロ増
posted2022/10/04 17:01
text by
岩本勝暁Katsuaki Iwamoto
photograph by
YUTAKA/AFLO SPORT
割合でいうと「7対3」だという。膝に置いた手を揉み合わせながら、宮浦健人(23歳)が訥々と言葉を紡ぎ出した。
「ワクワクのほうが大きいですね。不安というより楽しみのほうが大きい。海外での生活も含めてすべてが初めての経験ですから」
V1・ジェイテクトSTINGSが宮浦の海外移籍を公式ホームページで発表したのは8月8日のことだった。新たなフィールドに選んだのは、ポーランドのトップリーグ「プルスリーガ」。かつて柳田将洋や関田誠大もプレーしており、イタリアやロシアに並ぶ世界屈指のリーグだ。宮浦が加入するスタル・ニサはここ数年下位に低迷しているが、1948年設立の伝統あるクラブである。
ポーランド移籍「吸収できるものがたくさんある」
9月8日、ネーションズリーグで初のファイナルラウンド進出を果たし、世界選手権ではベスト16の好成績を残した日本代表が、今季すべての日程を終えてスロベニアから帰国した。それから1週間後、宮浦は多忙を極めていた。
昼は兵庫県でメディカルチェックを行い、夕方から愛知県刈谷市のジェイテクト本社で関係各所に挨拶。慣れ親しんだジェイテクト体育館に帰ってきた頃には、19時を回っていた。
これから自宅に帰って荷物をスーツケースに詰め、コンビニに持ち込んで空港まで発送するという。貴重な時間を無理に割いてもらった。出国前に話を聞く、最後のチャンスだった。
「ポーランドはバレーボールが国技で、すごく人気のあるスポーツです。ニサという街はそれほど大きくありませんが、そこに住む人たちみんなが応援してくれているチームという印象ですね」
海外移籍の話が本格的に進み出したのは、今年の4月に入ってからだという。
「エージェントの方を紹介していただいて、そこから海外チームからのオファーを待っていました。自分自身、まだまだ若いし吸収できるものがたくさんある。そう思い、移籍することを決めました」