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「とにかく野球の話をしているときが一番楽しい」大田泰示32歳が、DeNA移籍1年目で得た新しい感覚「若い選手には思い切って失敗してほしい」
posted2022/09/26 11:05
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Sankei Shimbun
まさに今季の横浜DeNAベイスターズのチームスローガンである『横浜反撃』を身をもって表現する男。グラウンドでの必死なプレーはもちろんのこと、ふとベンチに目を移せば、そこには必ず188センチの長身の熱血漢が仁王立ちし、マスク越しに仲間たちを鼓舞している。
今季からDeNAに加入した大田泰示――。
神奈川県の東海大相模高校出身であり横浜を拠点とするDeNAとは地縁のある大田だが、チームにすっかり溶け込んでいるその様子は、まるで生え抜き選手のように感じられる。大田は、この新天地で過ごしたここまでのシーズンを次のように振り返る。
「まず1年目ということでチームがやろうとしている野球を深く知ること。そして選手一人ひとりの性格や考え方を理解し、自分はチームのためになにをすればいいのか考えてきました。とにかく明るくて勢いのあるチーム。前半戦、なかなか勝てない時期があっても、みんな前を向いて勝ちにこだわってプレーをしていました。僕自身、初心に帰れたというか、本当に一丸となってがむしゃらに野球をする感じで、その流れに乗せてもらった感覚なんです。何でしょうね、野球を楽しむことに関しては新しい感覚というか、充実した日々を送らせてもらっています」
誰もが野球に対して貪欲
大田は目を輝かせ、そう語った。プロ14年目、32歳の大田に対して失礼とは思うが、その表情はまるで野球少年のようである。
「2度目の移籍先ですが、自分が変われるチャンスというか、今年は本当に毎日ワクワクするなかで前向きに取り組めているんです」
横浜スタジアムでの17連勝など夏場から勝ち星を増やしていった今季のDeNAだが、大田が当事者として感じたチーム好調の要因とは何だろうか。