ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
「とにかく野球の話をしているときが一番楽しい」大田泰示32歳が、DeNA移籍1年目で得た新しい感覚「若い選手には思い切って失敗してほしい」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph bySankei Shimbun
posted2022/09/26 11:05
8月6日、移籍後初となるサヨナラ打を放った大田。喜びの感情を爆発させ、三浦監督とも抱擁。お立ち台では「ヨコハマ、サイコー!」と叫んだ
「石井コーチとはキャンプから時間をかけてコンタクトという部分で詰めてきましたし、鈴木コーチからはアプローチの仕方やメンタル面、田代コーチには疲れなど毎日体の変化があるなかで打撃フォームについてアドバイスをもらいました。いろいろと各方面で助言をいただいたことで、今の数字があるのかなって思っています」
先ほどの先輩後輩の話も含め、チーム内において良好なコミュニケーションが取れていることがよくわかる。とにかく野球に真摯に向き合う姿勢。これが人を惹きつける大田の魅力のひとつなのだろう。
またファンの心に残るプレーぶりも大田の真骨頂である。6月30日の阪神戦で見せたサヨナラ勝ちを呼びこんだキャッチャーのミットをかいくぐる好走塁をはじめ、8月9日の阪神戦での移籍後初のサヨナラヒット、さらに8月30日の中日戦ではコロナによる離脱から復帰後初スタメンで5打数5安打の大活躍などハマスタを沸かせた熱いシーンが次々と目に浮かぶ。
今季、心に残るプレーとは?
大田としては今季、どのシーンが一番心に残っているのだろうか。
「いろいろありましたけど、やっぱり初安打を放った甲子園のタイガース戦(4月6日)ですよね」
途中出場した大田は11回表に移籍後初安打となる3ベースヒットを放ち、さらに12回表に走者一掃となる2ベースヒットでチームの勝利に貢献している。
「タイムリーも打ちましたし、チームも勝ちました。そういう意味ではあそこがターニングポイントでしたし、その後、乗っていける要因になったと思いますね」