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「女子のチームとは全然違うんですよ」バスケW杯まで1年、ホーバスHCが描く男子代表の最終形態…八村塁、渡邊雄太ら海外組の融合は?
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byfiba.basketball
posted2022/09/05 06:00
来年8月に開催するW杯に向けてビジョンを語ったトム・ホーバスHC。開催国枠での出場が決まっているが、アジア予選に参加してチームづくりを進めている
男子代表が女子代表と違うのは、アナリティックバスケットボールの浸透度だけではない。女子代表は全員が国内のWリーグでプレーする選手だったが、男子代表はトッププレイヤーたちが海外で活動している。
八村塁(NBAワシントン・ウィザーズ)、渡邊雄太(NBAブルックリン・ネッツ)、馬場雄大(所属未定。昨季はGリーグのテキサス・レジェンズとオーストラリアNBLのメルボルン・ユナイテッド所属)という東京五輪でも主力だった3人に加え、今年夏に代表入りして7月のアジアカップ準々決勝オーストラリア戦で33点をあげるなど抜群のシュート力を見せた富永啓生も、アジアカップ後にアメリカのネブラスカ大に戻った。
彼らは11月と来年2月のワールドカップアジア予選には出られない(ただし馬場は今後の状況次第で、11月の試合に出場する可能性があることを示唆している)。
しかも、NBAに所属する八村や渡邊は大会前に代表の活動に参加できる日数に上限が決められており、女子代表のように長い期間をかけてチームを築き上げていくことができない。もっとも、それはNBA選手がいる他国も同じ状況で、どのチームもその制限のなかで工夫しながら、チーム作りをしている。
それだけに、夏の間の数試合だけとはいえ、富永(7試合)、渡邊(4試合)、馬場(2試合)がホーバスのシステムの中でプレーできたことは来年に向けて好材料だった。
馬場「考え方ががらっと変わった」
たとえば馬場は、ホーバスのもとで約1カ月練習と試合をしたことで、彼自身が成長できたと言う。
「ホーバス監督のバスケットボールは僕のバスケットボールをすごい成長させてくれていると思っていますし、実際、成長できたと思っているので」
さらにこうも言った。
「僕のバスケットの考え方ががらっと変わった1カ月でした。3ポイントをファーストオプションとして考えると、こんなにスペースがあったり、冷静に状況が判断できるようになるんだというのが自分にとって衝撃的だったので。これがアメリカのバスケットボールで通用するかどうか(を試すの)がすごく楽しみです」