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「タケ・クボは2020年から強化リストに」「新たなウーデゴール、シルバの後継者」番記者が知る“久保建英・ソシエダ長期契約のワケ”
text by
ロベルト・ラマホ/ディアリオ・アスRoberto Ramajo
photograph byJuan Manuel Serrano Arce/Getty Images
posted2022/08/21 17:04
レアル・ソシエダに加入した久保建英。番記者によるとクラブの強化リストには2年前から入っていたという
年齢的に見て、シルバが今季の全試合に出続けることは難しいだろう。実際、過去2シーズンもフィジカル面の問題で多くの試合を欠場している。36歳のベテランは出場時間をコントロールしながらプレーしていく必要があるだけに、彼の代役となるクボには自ずと出番が回ってくるはずだ。
そして近い将来シルバがクラブを去ることになれば、クボにはその後釜となることが期待されている。1年でウーデゴールを失った教訓を生かし、完全移籍でクボと長期契約を結んだのはそのためなのだから。
疑問符を持つファンを黙らせ、活躍できると納得させるために
もちろん、シルバの後継者になど簡単になれるものではない。それはクラブも承知しており、クボには即戦力としての活躍ではなく、シーズンを重ねながら徐々に重要な存在となっていくことを期待しているようだ。
そうしたクラブのスタンスは、クボが地に足をつけて成長していく助けとなるに違いない。一方でクボにとっての障害となり得るのは、現代のフットボールには我慢という概念が存在しないことだ。
人々は常に結果を求めてくる。クボほど注目度の高い選手はなおさらその傾向が強い上、チュリウルディンのファンには彼の獲得に疑問符を付ける者が少なからずいた。
そういったファンを黙らせ、トップレベルで活躍できる選手だと納得させるためには、今季から自身の価値を証明していかなければならない。さもなくば、彼の背中にのしかかる重圧は大きくなっていくだろう。それが成長の妨げとなれば、クラブが描く青写真も変更を余儀なくされることになりかねない。
クボが周囲を納得させるためには、第一に試合に出る必要がある。だが左利きの名手が揃うレアル・ソシエダにおいて、チーム内競争を勝ち抜くのは簡単なことではない。
<#4/ソシエダ番記者(後編)につづく>