口調にぐっと力が入る。熾烈を極めるAクラス争い。まだ遠いがリーグ優勝の芽も出てきた。これからDeNAはシーズン終わりまでタイトな日程がつづき、入江はフル回転が予想される。もちろん、その覚悟はできている。

「気持ちとしては毎日投げたいぐらいですよ。とにかくチームの勝利に貢献しながら、シーズン終わりまで投げ切ることを目標にやっていきたい」

　野暮かとは思ったが、昨年務めた“先発”への想いを訊いてみると、入江は柔和な表情を浮かべ言うのだ。

「僕は元々先発に対するこだわりというのはなくて、とにかく必要とされる場面で投げたいというのが一番の想いなんです。本当、今は緊張感があるなかリリーフとして投げさせてもらって本当に楽しいんですよね」

　楽しい、と自然体で言い切れる入江の様子を見て、期待感が高まっていく。

本当、牧さまさまです！

　取材終わり、例の“ブルブルダンス”をノリノリで一緒に踊ったドラフト同期の盟友である牧秀悟について会話が及んだ。振り返れば、入江の5月5日の中日戦（横浜）のプロ初勝利、さらに2勝目をマークした8月6日の中日戦（バンテリン）において、いずれも牧が決勝打を放っている。それを伝えると、入江は勢いよく天を仰いだ。

「いやー、頼りになるし、間違いないっスね。この先、僕に勝ち星が付くときは全部秀悟のタイムリーだと思いますよ(笑)。本当、牧さまさまです！」

　若い選手が元気のいいチームは勢いが生まれる。激戦が予想される日々。入江も牧に負けぬほどの輝きを、チーム内で放つことができるはずだと信じてやまない。