「本当にやりがいしかない日々ですね」

　入江は目を輝かせて言う。そんなリリーフ1年生を精神面で支え、背中を押してくれるのがブルペンの面々だ。クローザーの山﨑康晃を筆頭に三上朋也、平田真吾、エスコバー、そして現在ファームで調整中ではあるが三嶋一輝、田中健二朗らが伸び盛りの後輩をフォローしている。

山﨑康晃を筆頭としたリリーフ陣　©Nanae Suzuki

たぶんベンチよりもブルペンの方が明るいと思いますよ(笑)

「皆さん、歳の離れている先輩方なのですが、僕たち若手がやりやすい雰囲気を作ってくれるんです。だから僕が先輩になったら、こういう雰囲気づくりをしてあげたいなって思うんですよね。球場やテレビで観ている人はベンチの様子しかわからないと思いますが、たぶんベンチよりもブルペンの方が明るいと思いますよ。本当、ファンの皆さんに見てもらいたいぐらいです(笑)」

　百戦錬磨の先輩リリーフ陣の言葉が、入江に諦めることなくファイティングポーズをとらせてくれる。

「ヤス（山﨑）さんや三上さんは、打たれても『次があるから大丈夫、また明日がんばろう』って落ち込むのは一瞬だけで、次に向かって顔を上げさせてもらっているので精神的に助かっています。鼓舞をしてくれるという面ではエスコバー、そして落ち着いてアドバイスをくれる平田さん。三嶋さんはキャンプのとき故障明けでどうしても不安のある中、それを改善してくれるようなアドバイスをしてくれたり、本当に皆さんには感謝しかないです」

明大の先輩・伊勢さんは「野球IQが高い」

　また、一学年上の明大の先輩であり、今季不動のセットアッパーを務める伊勢大夢も入江にとってかけがえのない存在だ。

「大学時代から一緒にやらせていただいて、もう6年目ですかね。伊勢さんは野球IQが高いというか、じつはすごい理論派で、僕のピッチングを見て思ったことを伝えてくれるんです。もちろんプライベートでも仲良くさせてもらっていますし、今年からブルペンに入った僕にとって伊勢さんがいるかいないかは、状況として全然違ったと思いますね」

　そんな入江も起用法を見てもわかるように首脳陣の信頼を得て、今や山﨑、エスコバー、伊勢の勝ちパターンの投手たちに次ぐリリーバーとして序列を高めている。

先発へのこだわりは…？

「ただ、これから三嶋さんや健二朗さん、クリスキーが帰ってきたら、僕の序列はどんどん下がっていくと思うんです。けどここは歯を食いしばって逆に譲らない気持ちでやっていきたいなと思います」

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