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「とにかく練習するスタイルから変えました」代打で見逃し三振3連発…蝦名達夫24歳が一軍定着&“エビ反りキャッチ”を見せるまで
posted2022/07/04 17:00
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Sankei Shimbun
季節早まりし猛暑の日々。ゲーム前の練習がある日中、横浜スタジアムの人工芝の照り返しは想像以上に選手たちの肌を刺す。
「暑い季節ですか? いや正直、あまり得意ではないんですよね」
横浜DeNAベイスターズの外野手である蝦名達夫は、苦笑しながらそう言った。生まれてから大学時代までを青森県で過ごしてきた蝦名にとって、この夏のハマの気候は苛烈だ。
「青森も暑い時期はあるのですが、それほど期間が長いというわけではありません。ここは耐えどきですね」
蝦名の表情にグッと力が入る。夏本番が勝負だといわんばかりに。
とにかく積極的に行くことだけ
今季も苦しいペナントレースを強いられているDeNAではあるが、その状況にあって蝦名はチームにとって非常にポジティブな存在だ。
プロ3年目、開幕当初のコロナ禍、そしてキャプテンの佐野恵太の怪我による離脱で蝦名はチャンスを掴んだ。群雄割拠の外野陣にあって、蝦名は走攻守そろった5ツールプレイヤーの片鱗を見せ台頭している。ここまで9試合連続ヒットをはじめ、100打席を超えても打率3割前後をキープし、三浦大輔監督も「上位で使いたいと思わせてくれる」と、クリーンナップやリードオフマンとして起用するなど期待を寄せている。
「今シーズンはチャンスをいただいているなか一打席一打席、自分が目標としてきた積極性を出すことができていると思います。結果は後からついてくると思ったので、とにかく積極的に行くことだけを考えています」
昨季の苦い経験
何度も口をつく“積極的”という言葉。そこには苦い経験に基づく自身への戒めがあった。